業種別開業ガイド

複合カフェ

  • 複合カフェとは、インターネット環境の他、様々なアミューズメント空間・設備を備えたカフェのことである。ゲーム機器以外にも、ダーツ、ビリヤード、カラオケ、卓球などの遊戯スペースを設けている店舗が多い。
  • 飲食メニューに関しては、以前はドリンクのみを提供する店舗が多かったが、最近はフードメニューに力を入れている店舗も多い。フードメニューに力を入れることには、来店者の滞在時間を延長させる効果がある。ランチ注文者に対しては利用料割引きサービスを付けるなど、フードメニューを推奨する店舗が多く出てきている。
  • マッサージ席、シャワールーム、仮眠スペースまでを設置している店舗もある。また、夜間の長時間利用者への割引きもあり、昼夜を問わないサービスの多角化が進んでいる。
  • ほとんどの店舗が会員制を導入しており、来店者は初回時に会員登録を行う。なお、日本複合カフェ協会(JCCA:Japan Complex Cafe Association)は、防犯対策上望ましいとの考えから、会員制の導入を推奨している。利用料は時間制となっており、利用者は退出時に基本料金と延長料金を支払う仕組みとなっている。
  • かつては複合カフェ店舗は繁華街に集中していたが、最近はオフィス街やロードサイドへの出店も増えてきている。ビジネスマンをメインターゲットとした店舗では、FAX機やコピー機、LAN回線などを完備した店舗も出てきている。

1.起業にあたって必要な手続き

1)食品衛生法に基づく開業許可

飲食店の開業には保健所の許可が必要である。カフェの場合、「飲食店営業」か「喫茶店営業」のどちらかを申請する。「喫茶店営業」とは、「喫茶店、サロンその他設備を設けて、酒類以外の飲物または茶菓を客に飲食させる営業」のことを指す。食事メニューの充実を考えるのであれば「飲食店営業」の申請が必要である。

飲食店の開業にあたっては、営業許可を所轄保健所の食品衛生課に申請する。また、食品衛生法では、各店に1人、食品衛生責任者を置くことが義務付けられている。

食品衛生責任者となるには、調理師、栄養士、製菓衛生師等の資格が必要である。資格者がいない場合、保健所が実施する食品衛生責任者のための講習会を受講すれば、資格を取得できる。

一般の開業手続きとして、個人であれば税務署への開業手続き等、法人であれば、必要に応じて、健康保険・厚生年金関連は社会保険事務所、雇用保険関連は公共職業安定所、労災保険関連は労働基準監督署、税金に関するものは所轄税務署や税務事務所にて手続きをする。

2)深夜酒類提供飲食店営業の届出

深夜(午前0時から日の出前)において酒類の販売を行なう場合、「深夜酒類提供飲食店営業」として公安委員会への届出も必要になる(問い合わせ先は地域の警察署・保安係)。

3)自治体の条例に対応した届出

たとえば東京都の場合は、営業開始日の10日前までに東京都公安委員会へ届出なければならない、とされている。(「インターネット端末利用営業の規則に関する条例」より)
東京都の例のように自治体ごとに必要な手続きが定められている場合があるので、各自治体への確認も必要である。

2.起業にあたっての留意点・準備

複合カフェでは深夜営業が通常行なわれているため、ネット難民の温床になっているとの指摘もある。そのため、ネット難民を狙った犯罪や、施設のパソコンを使ったネット犯罪などに対しての防犯対策も強く求められている。

複合カフェにはフランチャイズ・チェーンも数多く存在する。防犯対策を含め様々な運営ノウハウについては、フランチャイズへ加盟することで享受することもできる。

複合カフェの業界団体としては、日本複合カフェ協会(JCCA)がある。同協会に加盟することで、TVゲームソフトの業務利用許諾料金が割引になるほか、求人サイトへの無料掲載、警察や官公庁との交渉の窓口がJCCAに一本化されるなど、多くのメリットを享受することができる。

3.必要資金例

駅前型80坪程度の店舗で開業の際の必要資金例

4.ビジネスプラン策定例(モデル収支例)

1)売上計画例

2)損益計算のシミュレーション

  • 人件費は、スタッフ2名、アルバイト6名を想定
  • 初期投資一括計上分は、開業費の金額
  • 減価償却費は、設備工事費・什器備品費等の額を5年で償却したもの
  • 必要資金、売上計画、シミュレーションの数値などにつきましては出店状況によって異なります。また、売上や利益を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。

最終内容確認日2014年2月