ビジネスQ&A

立地の悪さをカバーする方法を教えてください。

大手美容室チェーンで、10年間働いた美容師です(店長経験3年間)。独立して美容室を開業しようと思っています。テナント料の制限により、最寄り駅から10分くらいの立地になってしまいました。そのような店舗で、お客さまを確保する方法を教えてください。

回答

お店の売上は立地に左右されます。でも立地さえよければ、流行るというわけではありません。不利な立地でも知恵を使って繁盛しているお店もたくさんあります。その立地に合わせた戦略があるはずです。

まずは、立地条件について考察してみましょう(表1)。

表1 立地条件のチェックポイント

気象条件


気候、温度、湿度、季節変化など

地域の発展性

都市計画等の公共投資計画の有無
商業地域の商圏人口動態や消費動向
競合他店の有無と規模

交通機関

鉄道、地下鉄の駅、バス路線などの状況
幹線道路の近接状況

居住・流動人口

人口・世帯数の総数と年代別分布状況
予定計画地の後背地人口

交通量
歩行者数

車両通行量(時間帯・方向・車種など)
歩行者数(時間帯・性別・年齢層・職業など)

予定計画地の周囲の環境

集客施設の有無(役所、学校、郵便局、銀行、公園、商店街、スーパーなど)
環境整備(歩道・アーケード・街路樹・花壇・緑化など)
店舗施設計画に合致した敷地であるか?(売場面積、店舗面積、駐車場面積)
敷地の視認性(店舗や看板の視認性による店舗訴求力の有無)
増築・増床の余地の有無
地代、地価

それでは、上記の項目ごとに商圏分析・立地分析をしていきましょう。

  1. 商圏の人口動態や消費動向はどうですか?
  2. 競合他店の有無と規模、美容室は周辺にありますか? どのような店ですか?
  3. 最寄り駅から10分くらいですね。住宅地にさしかかるくらいの場所ですか?
  4. 大通りに近いですか?
  5. どのような人々が住んでいますか?
  6. 自動車の通行量は多いですか?
  7. 人通りはどうですか? 時間によって変化はありますか?
  8. 学校など人が多く集まる場所はありますか?
  9. 歩道やアーケードはありますか?

上記の項目をチェックしていけば、顧客ターゲットが絞られてきます。

住宅地の中であれば、主婦がターゲットになります。世帯年収によって価格設定も変わってきます。

学校や会社などがあれば、学生やOLがターゲットになります。校風や社風によって、商品メニューが変わってきます。

競合他店があるとすれば、どのようなお店ですか?似た店なら価格や技術で優位性を発揮しなければなりませんね。テイストが違うなら、差別化を明確に表現した方がよいでしょう。

上記の項目は、外部環境からのアプローチです。

続いて、内部資源のチェックです。

  1. 店舗面積はどれくらいですか?席数はどれくらいですか?
  2. 通りから店や看板は見えやすいですか?
  3. 駐車場はありますか?
  4. テナント料は高いですか? 安いですか?

席数によってスタッフの数が限定されます。売上予算・経費予算が算定できます。

視認性がよければ、ファザードで通行人にアピールができます。悪ければ、紹介やクチコミをしてもらえるようにしなければなりません。

駐車場があれば、遠くからでも来店の可能性があります。雨の日でもきてもらえそうです。なければ、近隣のお客さまを囲い込む必要があります。

テナント料は原価に跳ね返ってきます。価格設定に大きく影響します。

外部環境と内部資源のクロスするところに、あなたのお店の棲息領域があるはずです。

では、貴店が立地の悪さを克服する方策を考えてみましょう。

まず認識すべきことは、立地のよいところは競争が激しいということです。立地の悪いところは、競争こそ激しくありませんが、お客さまが来店しにくいということです。お客さまにきてもらうためにはどうすればよいのか?ということを考える必要があります。

  1. お店の特色を出す(カットがうまいとか)
  2. 広告を出す(オープンするお店なので、チラシや地域情報紙でPRする必要があります)
  3. 来ていただいたお客さまに満足してもらう(誠意ある接客・サービスなど)

お店の強みをお客さまに共感していただくことで少数の顧客にリピーターとして、家族・お友だちの紹介で顧客を少しずつ拡げていくことが、息の長い集客・安定した経営につながるはずです。

回答者

中小企業診断士 浅野 正

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