ビジネスQ&A

ミレニアル世代とZ世代の消費行動の違いについて教えてください。

2024年 3月 1日

最近の若者像を表す言葉で「ミレニアル世代」と「Z世代」という言葉をよく耳にしますが、この両者の消費行動については違いがあるのか、それともないのか教えてください。

回答

ミレニアル世代とZ世代は現代社会の若年層を代表する世代で、両世代だけで総人口の3割を超える重要な需要層でもあります。両世代には、デジタルテクノロジーへの親和性・適応力の高さ等、共通した特徴も認められますが、技術的・社会的・経済的背景の違いにより、それぞれ独特の異なる消費行動を示します。両世代に向けたマーケティング施策の展開に際しては、両世代の消費行動の違いを理解した上で、それぞれに合った適切なチャネルとコミュニケーションを選ぶことが求められます。

1.ミレニアル世代とZ世代の特徴と共通点・相違点

「ミレニアル世代」とは、一般的に1981年から1996年の間に生まれた世代を指す言葉で、年齢的には2023年時点で27歳から42歳です。「Y世代」とも呼ばれ、「ベビーブーマー(1946年から1964年生まれ)」や「X世代(1965年から1980年生まれ)」の次の世代で、2023年時点で日本の総人口に対する割合は17%程度とも言われています。

「Z世代」とは、一般的に1997年から2012年の間に生まれた世代を指す言葉で、年齢的には2023年時点で11歳から26歳です。ミレニアル世代(Y世代)の次の世代で、2023年時点で日本の総人口に対する割合は15%程度とも言われています。

以下、ミレニアル世代とZ世代のそれぞれの特徴、及び両世代の共通点・相違点について解説します。

【ミレニアル世代の特徴】
  • デジタル移行期を経験:インターネットや携帯電話の普及を青春期や成人期に経験。デジタルテクノロジーとソーシャルメディアの活用に慣れているが、デジタルネイティブではない
  • 教育:一般的に教育水準は高く、大学進学率も高い
  • 価値観:社会的・環境的責任を重んじ、企業の倫理性や持続可能性を重視する
  • 経済状況:2008年の経済危機の影響を受けて、就職難や奨学金の返済などの経済的な苦労を経験している
【Z世代の特徴】
  • デジタルネイティブ:生まれた時からインターネット・スマートフォン・ソーシャルメディアが存在し、ごく自然に使いこなす。AIや最新テクノロジーへの適応が早く、新しいアプリやプラットフォームのトレンドセッターであることが多い
  • 教育:オンライン学習の普及により、学び方が多様化している
  • 価値観:個性や自己表現を重んじ、社会正義や環境問題に敏感。さまざまな文化や性的指向・性自認に対する受容性が高く、多様性を尊重する
  • 経済状況:ミレニアル世代の経済的苦労を学び、金融リテラシーを重視する
【共通点】
  • デジタルテクノロジーへの親和性・適応力:両世代共にデジタルテクノロジーを日常生活に取り入れ、デジタルコミュニケーションに慣れていて、その進化にも適応している
  • 社会意識の高さ:環境や社会正義に関心を持っている。社会問題に対する意識が高く、企業や組織にもそれを求める傾向がある
  • 多様性の尊重:両世代共に多様性を受け入れ、異文化やアイデンティティを尊重する。より包摂的な社会を目指すという価値観も共通している
  • グローバルな視野:インターネットによって世界中の情報に容易にアクセスできるため、グローバルな視野を持っている
【相違点】
  • デジタルテクノロジーへの依存度:ミレニアル世代もデジタルテクノロジーに慣れているが、Z世代ではより深いレベルでのデジタルテクノロジーとの融合が認められる
  • コミュニケーションスタイル:ミレニアル世代は電子メールやFacebookを多く使用する傾向があるのに対し、Z世代は瞬時のコミュニケーションを好むため、InstagramやTikTokなどのプラットフォームを多く使用する
  • 社会的・経済的背景:ミレニアル世代は2008年の経済危機の影響を直接受けたが、Z世代は気候変動や政治的不安定性などの異なる課題に直面している
  • 働き方:ミレニアル世代はワークライフバランスを重視するが、Z世代はより柔軟な働き方・副業・ギグエコノミーに対して開放的で起業志向が強い
  • ブランドロイヤルティー:ミレニアル世代はブランドに対する忠誠心が高いが、Z世代はブランドよりも個々の製品や経験により価値を認める傾向がある

2.ミレニアル世代とZ世代の消費行動の違い

ミレニアル世代とZ世代では、技術的・社会的・経済的背景の違い等により、以下のような消費行動の違いが認められます。

【デジタルテクノロジーの活用】
  • ミレニアル世代:デジタル技術の進化と共に成長したが、社会人になってからスマートフォンやソーシャルメディアが普及し始めたため、デジタルと非デジタル両方の消費行動が認められ、伝統的なメディアとのバランスもとれている
  • Z世代:生まれたときからインターネット・スマートフォン・ソーシャルメディアが存在していたため、デジタルに精通。情報を瞬時にキャッチアップし、オンラインショッピングやモバイル決済が主流。ミレニアル世代よりもさらにデジタルテクノロジーに依存したライフスタイルを持ち、デジタル中心の消費行動が認められる
【ソーシャルメディアとのかかわり】
  • ミレニアル世代:FacebookやTwitterなどのプラットフォームの利用が認められるが、消費行動において、Z世代ほどはソーシャルメディアの影響を強く受けない
  • Z世代はTikTokやInstagramなどの視覚的でインタラクティブなプラットフォームを好み、消費行動においても、これらのメディアの影響を強く受ける
【購買決定要因】
  • ミレニアル世代:価値と品質を重視。購入前に商品やサービスについてじっくり調べた上で購買を決めるが、友人・家族の推薦やオンラインレビューの影響も受ける
  • Z世代:即時性と利便性を重視。リアルタイムのトレンドやバイラルなコンテンツに敏感で、即座に反応。インフルエンサーや有名人の意見が購買決定に大きな影響を与える
【消費傾向】
  • ミレニアル世代:オンラインショッピングを好むが、実店舗も利用。旅行・食事・エンターテインメント等のコト消費にも積極的。環境意識が高く、サステナブルな製品やサービスに対しての消費を厭わない。2008年の金融危機の影響を受けて就職やキャリア構築に苦労した世代のため、価格に敏感で、コストパフォーマンスを重視する傾向がある
  • Z世代:オンラインショッピング中心で、主にモバイルを通じて購入。モバイルペイメント・仮想通貨など多様な支払いオプションを求める。インフルエンサーやソーシャルメディアのトレンドに強く影響される。経済的な不確実性の中で成長しており、価格に敏感である一方、品質やブランドのストーリー性も重視する。ミレニアル世代に比べて、より個性的な製品やサービスを好む傾向がある
【ブランドロイヤルティー】
  • ミレニアル世代:ブランドに対する忠誠心が比較的高く、ロイヤルティプログラムやブランドとの長期的な関係を重視する
  • Z世代:速やかな変化と新しいものを求める傾向が強いため、ブランドに対する忠誠心は比較的低い。個性や個人の価値観を尊重するため、ブランドよりも体験やストーリーを重視する
【マーケティングへの反応】
  • ミレニアル世代:オーセンティックなコンテンツに価値を見出し、友人の推薦やレビューを重視。メールやテキストメッセージを含むデジタルマーケティングに反応するが、過度な広告には抵抗感を持つ。情報が透明で信頼できるかを重視する
  • Z世代:短い動画やインタラクティブなコンテンツに引き付けられる。インフルエンサーやピアレビューを通じたインタラクティブでパーソナライズされた広告に反応しやすく、ソーシャルメディア上でのエンゲージメントを重視する

3.マーケティング施策を展開する際の留意点

ミレニアル世代とZ世代は、それぞれ独特の異なる消費行動を示します。両世代へのマーケティング施策の展開に際しては、共通点である「デジタルテクノロジーへの親和性・適応力の高さ」という特徴を踏まえることが必須ですが、ここまでに解説した両世代それぞれの特徴と消費行動の違いを理解した上で、それぞれに合った適切なチャネルとコミュニケーションを選ぶことが求められることに留意してください。

回答者

中小企業診断士 後藤 啓介

同じテーマの記事