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補助金・助成金の違いや補助金活用における注意点について教えてください。

補助金・助成金の違いや補助金活用における注意点について教えてください。

回答

「補助金」あるいは「助成金」という制度があるということは、多くの方がご存じかと思います。しかしその違いを認識されている方は少ないと思います。

補助金も助成金も、国や地方公共団体(民間の団体で行っているものもあります)から支給されるお金のことです。当然、財源は公的な資金から出されるものですので、誰でももらえるわけではなく、申請や審査が必要になり、一定の資格が必要な場合もあります。

この内「助成金」と呼ばれるものは要件を満たせば受給できる可能性が高いです。例えば厚生労働省の所管している「雇用調整助成金」があります(平成26年4月現在)。どちらも要件を満たしていること、所定の様式に従って申請を行うことが必要ですが、要件を満たした事業者には原則給付されます。

これに対して「補助金」は採択件数や金額が予め決まっているものが多く、申請したからといって必ずしも受給できるわけではありません。申請が30社に対し、採択予定件数が10社であれば、20社は審査で落ちてしまうことになります。

補助金の場合は、一か月程度の公募期間を設けるのが一般的です。この期間内に所定の書類を揃え、申請する必要があります。多くの場合は、採択件数に対し、応募件数が上回ります。提出書類でその妥当性や必要性をアピールできないと、どんなに良い提案をしても採択には至りません。その意味で、補助金の申請に関しては、提出書類の内容が極めて重要であると言えるでしょう。

ここで注意が必要なのが「助成金」や「補助金」という言葉は必ずしも明確に区別されていないということです。例えば経済産業省が所管している「助成金」の中には、上記の「補助金」の色合いが強いものもあったりします。ですので、各々の制度の内容をよく理解した上で、活用するようにして下さい。

補助金活用における注意点

  1. 補助金は後払い
    多くの補助金は後払い制になっています。例えば総額300万円の事業で1/3の補助がある場合は、まず自社のお金で300万円を支出する必要があります。
    補助金は先に出るものと勘違いし、200万円だけ用意して残りの100万円を用意しないと事業を進めることはできません。申請した事業総額と同額の資金を用意するようにしましょう。
  2. 支出する時期に注意する
    補助金では事業期間を定めるのが一般的です。この事業期間に支出した経費以外は経費として認められず、補助を受けられないこともあります。
    例えば事業期間が8月1日〜2月28日までだとしたら、7月31日に支出したものも3月1日に支出したものも補助を受けられない可能性が高いです。また、事業期間は年度末ではなく少し早めに設定されているケースが多いので注意が必要です。
  3. 事務処理をきちんとしないと補助金が受け取れないケースがある
    事業期間終了後、一定期間内に報告書や支払証憑類を提出する必要があります。この提出書類がいい加減であったり、目的外に経費を支出していたりすると、支払が拒否されることがあります。
    例として「試作」に係る補助金を申請した場合を考えてみましょう。この場合は量産するための機械などの支出は認められていないケースがほとんどです。試作用と称して量産用の機械を購入し支払を拒否された例もあります。このような場合、機械はリース、もしくはレンタルという形をとり、試作段階(かつ補助期間内)の分だけ補助してもらうようにします。
  4. 会計検査院の検査が入る可能性がある
    補助金を受けた企業は、会計検査院の検査を受ける可能性があります。しっかりと事務処理し、正当な目的で費用支出していれば問題ありませんが、いい加減なことをやっていると、指摘される可能性があります。検査が入る可能性があることを認識した上で事務処理を行って下さい。

補助金や助成金を受けようと思うと、事務処理が増えたり、時間的な制約がついたりと面倒なことが色々あるのも事実です。場合によっては補助金や助成金を受けない方が、事業がうまく進むこともあるでしょう。何でももらえるものはもらっておこうという意識でこれらの制度を活用するのはお勧めできません。

しかし、補助金や助成金には、自社だけでは引き受けられない大きなリスクを引き受けられるようになるという効果もあります。新たなチャレンジをする場合にはぜひ有効に使い、事業拡大に役立てて下さい。

回答者

中小企業診断士 遠藤 康浩

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