ビジネスQ&A

自社にとって有利な取引条件に改善するにはどうすればよいですか?

中規模の塗料販売店ですが、建築用塗料業界において、建築業者→塗装業者→塗料販売店の関係であるため、悪条件の取引を強いられています。塗料販売店の地位の向上や、取引条件の改善を行うためには、どうしたらよいでしょうか。

回答

自社の地位向上や取引条件の改善のためには、取引先からの信頼を獲得し、取引に対する自社の姿勢を確立すること、そして、取引先への提案力を高めること、取引先を複数もち、リスクを分散させることなどが有効となります。

自社の地位向上や取引条件の改善のためには、自社が取引先からの信頼を獲得し、いかに取引先にとって価値のある存在になるかにかかっています。自社の現状をしっかりと把握しつつ、自社の経営姿勢を確立することから始めましょう。

取引関係の基本構図と調査課題を踏まえたうえで、以下のアイテムについて考えてください。

図1 自社、取引先、競争相手の三面関係と調査アイテム 図1 自社、取引先、競争相手の三面関係と調査アイテム
図1 自社、取引先、競争相手の三面関係と調査アイテム

【取引に関する自社の姿勢を確立する】

自社の地位を向上させ、取引条件を改善するためには、取引先からの信頼を獲得することが重要となります。

そのためには、約束を守る、納期を守るといった基本的な姿勢が不可欠です。また、自社の経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報など)を評価し、自社の強みや弱みを把握するとともに、品質や技術力、仕入れ力などを評価します。自社が業界内でどのような地位にあるのか、他社に負けない強みはどこにあるのかなどをしっかりと把握しておきましょう。そうすることで、「すべて言われるがまま受け入れる」ということなく、取引の開始や契約締結時にできることとできないことを明示したり、不当な取引に関しては交渉を加えたりするなどの対応が可能となります。

また、取引に関しては、契約に関する法律知識も重要となります。専門家の助言も受けつつ、自社の契約の締結方法やその内容をしっかりと理解しておくことが必要です。契約に関する認識の相違をなくし、品質や納期、返品などのトラブルを事前に防ぐようにしましょう。

特に「下請代金法」や「下請けガイドライン」に関する説明会は、中小企業庁の主催で、無料で実施されていますので、一度参加されることをおすすめします。

【取引先への提案力を高める】

次に、取引先の経営状況やその変化は、常にしっかりと把握しておきましょう。たとえば、取引先の経営内容が悪化している場合、代金支払いや、最悪の場合は回収が不能になることも考えられます。取引先が現在どのような経営を行っているのか、どのような悩みをもっているのか、常にアンテナを張っておく必要があります。

さらに、その悩みや営業姿勢をもとに、積極的な提案を行うとよいでしょう。商品の改善提案を行ったり、新商品の情報を提供したりといったことを通じて、取引先との密なコミュニケーションを図るようにします。とくに、品質や技術の向上やコスト低減など、取引先のメリットとなる提案を行うことにより、取引先にとってなくてはならない存在を目指しましょう。

【取引先を複数もち、リスクを分散させる】

1社または数少ない取引先に限定すると、経営が安定したり、取引が楽になったりするといったメリットがあります。その反面、取引先の経営悪化の影響をもろに受けたり、取引上強く出ることができなくなったりというデメリットも抱えることになります。これらのリスクを回避するために、取引先の状況は、変化するものであるということを認識し、常に新規の取引先やほかの業界などへのアプローチを行い、取引先の分散を図りましょう。

【業界の動向を把握する】

また、業界やユーザーの動向にも目を光らせる必要があります。国内外の情勢の変化や規制緩和、環境問題への対応などにより、取引先に大きな影響を与えることがあります。日ごろから業界誌などに目をとおしたり、商工会議所や業界団体の主催するセミナーに参加したりして、業界の動向把握に努めましょう。

さらに、該当する組合への加入も検討してみてください。中小企業の経営の近代化・合理化を目的とした事業協同組合、業界全体の改善向上を図ることを目的とした商工組合など、その目的や活動状況に応じて選択するとよいでしょう。

回答者

中小企業診断士
安田 裕美

関連情報

中小企業庁

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