ビジネスQ&A

新型コロナウイルスの感染症の影響による事業継続について何を準備すればよいか教えてほしい。

2020年 3月 11日

新型コロナウイルスの感染者が増加する中、企業として事業継続に向けて何を準備しておくべきか、また、万が一、社内で感染者が発生した場合は、何をすれば良いのか知りたい。

回答

以下にあるような感染前・感染後の実施事項チェックシートを参照にしながら、従業員・お客様への対応、モノ(商材等)に関すること、資金に関することにつき、それぞれ準備を進めましょう。

事業継続を行うにあたっては、事業継続計画(BCP)として策定できていることが理想ですが、多くの中小企業にとっては準備ができていない状況であり、また、急激に新型コロナウイルスの感染が広まる中、今から作り上げることは困難だと思います。

まずは、このチェックシートにある各項目に基づき、検討すべき具体例を意識しながら、自社で取り組むべき内容を書き出しましょう。例えば、「従業員の健康状態の確認」においては、従業員に対して毎日の検温および報告を指示し、37.5度以上あれば欠勤を促す等のルールを決めることです。その際、有給休暇とするのか、欠勤扱いとするのか、もしくは、休業手当を支払うことにするのかを明確にする必要があります。
また、事業継続にあたり重要な「3. 資金に関すること」では、操業率が低下したことを考慮して、給与支払や取引先への支払につき運転資金の事前把握も必要です。資金調達についても、メインバンクとの相談や活用できそうな融資制度の確認を早め早めに行うことをお薦めします。


その状況に陥ってから検討するとなると慌ててしまい適切な判断ができない場合もありますので、時間が取れる今のうちにしっかりと検討をしておきましょう。ただし、全てを網羅して事前に準備しておくことも困難ですので、大局的に考えた基本方針を決めておき、順次、状況に応じて検討することでよいでしょう。

そして、決めた内容を社内に発信することで従業員の不安を取り除くことができます。また社外・取引先へ発信することで信頼性の向上につながります。

今後、新型コロナウイルスの影響による先行きがどうなるかわからない状況ですが、不安がってばかりでも前には進みません。経営者として、事業継続のリスク低減に向け、今できることに取り組み、チェックシートに沿って準備を進めましょう。

なお、事業継続計画(BCP)を策定するにあたっては以下のシートを参照ください。

回答者

中小企業診断士/E-SODAN「専門家とのチャット」担当
中内 善文

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