経営支援を難しいものと考えないこと。広域指導員として真っ先に支援した川越商工会議所の経営指導員から言われた最大の誉め言葉は「黒澤さんがどんな高度な支援をやってくるかと思ったら、思ったよりも普通でした」ということ。解決策は事業者の実態に即したものでなくてはならない。それが高度なものであるかどうかは事業者による。そこに気づいてもらえたのが嬉しい。そして、これまで一緒に経営支援に取り組んだ経営指導員には、こんなメッセージを贈っている。「1件やると自信がつく、3件やると実力がつく、5件やると習慣がつく」。
商工会議所や商工会は事業者にとって最も身近な支援機関。そこに所属する経営指導員が課題設定型支援に一丸となって取り組むことが必要だ。そのうえで人材育成が重要となるが、商工会議所からは「人材育成についてOJTが整備されていない」との声が聞かれる。
そんななか関東経済産業局は経営指導員の支援力強化のために課題設定型伴走支援のOJT事業を開始し、人材育成を後押ししている。初年度は5つの商工会議所が積極的に参加しており、非常に期待している。
また埼玉県内の動きとしては、行田商工会議所の経営指導員が音頭を取って自主勉強会を立ち上げている。現在は県内商工会議所の30~40代の経営指導員15人ほどが集まり、支援事例を持ち寄って情報を共有している。このように高みを目指す経営指導員がいることを心強く思うし、こうした動きが広がっていけばいいと願う。そして、一人でも多くの経営指導員が自分のスキルを向上させ、真の伴走支援者になってほしいと期待している。