OJT事業では、関東経済産業局の官民合同企業支援チームと商工会議所の経営指導員が月1、2回の頻度で支援企業を訪問する。同社では、伴走支援コンサルタントからのヒアリングを受けた結果、生産計画・管理や人材確保など同社にとっての本質的な課題が浮かび上がった。
このように明確な課題設定ができたことから、次の段階の課題解決の支援を引き続き受けることとなった。このうち人材確保の課題については、新規事業として展開する船外機分野の拡大を見越して従業員数を現在の36人から50人に増やすことを目指すとしているが、同社は長年にわたって採用には苦労しており、人材確保は容易ではない。
これに対して商工会議所は、業種が近いメッキ加工業を手掛ける三光製作(浜松市中央区)を紹介した。同社は、3代目の山岸洋一社長のもと、職人としての技術だけでなく、「人間力」を高めることを目的として従業員教育に注力。さらに働き方改革や女性活躍の支援などを進め、ややもすると若者や女性に敬遠されがちな職場のイメージを一新し、人材確保につなげているという。原田部長は今年6月に同社を訪れて山岸社長と面談。「大変勉強になった。従業員がみんな元気よく挨拶する様子にも驚かされ、いい刺激を受けた」という。
課題設定型支援を受けた原田部長は「これまで商工会議所に対しては、補助金の申請でお世話になるところ、というイメージを持っていたが、今回の支援では、当社が抱える課題について一緒に寄り添って考えてもらい、深いところまで掘り下げることができた。明確に課題を整理することができ、大変良かった」と話している。同社は今後も中長期的に支援を受けつつ船外機分野を伸ばしていき、10年後には年商10億円の企業を目指す。近く3代目となる原田部長は、妹の北岡早織課長と力を合わせ、兄妹が中心になって同社の舵取りを進めていく。