業種別開業ガイド

回転すし店

  • 「回転すし店」は、登場した当初は、邪道扱いされた感があったが、「低価格」「入店のしやすさ」「価格の明瞭性」が受けて、現在ではサラリーマン、OLの昼食、家庭向け持ち帰りとして、また郊外店ではファミリー客の利用も多く、完全に市民権を得ている。

1.起業にあたって必要な手続き

飲食店の開業にあたっては、営業許可を所轄保健所の食品衛生課に申請する。また、店に1人は食品衛生責任者を置くことが義務づけられている。 それ以外にも一般の開業手続きとして、税務署への開業届、また、 雇用形態により社会保険事務所や労働基準監督署への諸手続きを行なう。詳細については、最寄りの管轄に問い合わせるとよい。

2. 起業にあたっての留意点・準備

●店の立地は大別して繁華街型立地と郊外型立地があり、業態コンセプトもそれによって方向づけられる。
・ 繁華街型立地:駅前や商店街など大衆が集まる場所の立地で、主たる狙いは客席回転率を高めることにある。値段の面からも2つに大別できる。一方は、一皿均一 100円とか120円均一の、安く・早くのファーストフード型で、若い客層に受けている。もう一方は、伝統的な「立ち寿司」の業態をどうやって安くできるかという視点で、値段は一皿130円~500円程度と不均一ながら適正なネタを提供するもので、客層は年輩客が多い。いずれも回転重視から酒類は置かないか、置いても最少限度にとどめている。
・ 郊外型立地:郊外で家族がファミリーレストランとして利用できるように、一定水準以上のすしを大量販売が可能なスタイルで提供する。郊外型の場合は、回転すしであっても単なる低価格ではなく、高品質で提供することが求められる。

●経営ノウハウの蓄積度を考慮し、単独型経営かフランチャイズ・チェーン加盟型経営(FC型)かのいずれかを選択する。
・ 単独型経営:すし店勤務(修業)を通じて十分な現場経験と店舗経営のノウハウを身につけていれば、単独型の選択が可能である。リスクはあるが、成功すれば達成感は大きい。経営資源(人・物・金)の調達と運用計画について、慎重なビジネスプランの策定が必要である。
・ FC加盟型経営:FC本部(フランチャイザー)が指導しているため、開業準備、開業後の運営は比較的容易である。ただし、FC本部により、加盟金、開業前研修費、ロイヤリティ、開業後の指導(面倒見)が異なり、各FCに格差があるため、本部選定に慎重を期さねばならない。

3. 必要資金例

単独型経営で、中都市の駅前商店街好立地、1階床面積60坪、客席50席、定休日なし
従業員は、正社員7名(うち事務1名)、パート・アルバイト30名 
客席回転率(回)は、ランチタイム3.0、アイドルタイム1.5、ディナータイム4.6
客単価(円)は、ランチタイム1,200、アイドルタイム1,300、ディナータイム1,700、テイクアウト1,500

4. ビジネスプラン策定例

●開業前必要経費:90,000千円

【内訳】
 保証金:30,000千円
 内装工事費:24,000千円
 店頭外装費: 3,000千円
 空調設備費: 4,000千円
 厨房設備費:17,000千円
 開業費:12,000千円
*資金調達 
 自己資金:12,000千円
 銀行借入金:78,000千円(7年、据置6ヶ月後元金均等償還、利率3.05%、別に協会保証料1.35%)
*保証金は契約満了時に全額償還

●モデル収支

(単位:千円)

初年度から4年目までの損益計画を例示した表
  • 売上計画やシミュレーション数値などにつきましては、出店状況によって異なります。また、売上や利益を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。

最終内容確認日2014年2月