起業の先人に学ぶ(2020年版)

オーダーメイド枕・寝具販売【Futonto株式会社】

2020年 8月 5日

齊藤 淨一氏
齊藤 淨一氏

1.ビジネスの特徴

●誰に

良い睡眠を求め、睡眠にお悩みがあり、健康にお悩みがある全ての人に。

●何を

良質な睡眠をとることを可能にする、商品と人がかけ合わさったサービスを。

●どのように

日本全国のショッピングモールに店舗を開設し、ひとりひとりのお客様の異なる睡眠へのお悩みを改善する。

オーダーメイド枕のお店「まくらぼ」を主軸に、睡眠に関する各種サービスを展開している。一対一での対面販売であり、リアル店舗での販売が99%であることが大きな特徴。睡眠採点アプリ「Dr.sleeping」(枕元に置いて寝て睡眠を採点できる)など自社開発のテクノロジーを掛け合わせることで、高い、低い、硬いといったひとりひとりのお客様へカスタマイズしたオーダーメイド枕、厚い、重い、軽いといったオーダーメイド羽毛布団の提供を可能にしている。製品のオーダーメイドと睡眠の可視化を繋げている会社は他にない。

2.起業のきっかけ

活動の様子
活動の様子

創業前は10年ほど大手寝具販売店で販売員として勤めていた。販売員時代から睡眠を通して世の中を元気にできればと考えていたが、一方で町の布団屋さんは次々と潰れてゆき、大手のみが残っていることを目の当たりにしていた。こうした中で、布団より手軽な枕から手掛けることを決めたのが始まり。その後寝具関連の販売業を2008年から2度起業しており当社で3回目となる。1回目、2回目は売上を伸ばすことが目標となっていたが、当社は「良質な睡眠を提供する」という企業理念を終始通すことにこだわりスタートした。

3.起業への道のり

商品
商品

良質な眠りの提供というサービスを顧客に対して伝えていくことを重視した店舗づくりにこだわった。長年実際の現場で一般個人へ販売活動を行っていたノウハウをどう活かし、さらに理念である「睡眠を通して世界を朝から元気にしたい」をどう実現するか、個人としての経験はあったが、特に社内メンバーでそれらの理念を統一していくのが難しかった。3名からスタートして、現在では9年目で160名強となったが、それぞれの成長段階で違った大変さがあった。理念を統一する時には様々な出会いと別れがある。3名、5名の時も、今の160名体制の時においても人が一番の重要問題。必ずセクショナリズムが発生する。ワンチームにすることは難しい。

4.最初のお客さんを獲得するまで

店舗、サービス
店舗、サービス

起業当初はビラ撒きを行い、商工会をはじめとした様々なセミナーに進んで参加した。セミナーで学んだ店舗前清掃、日売決算などを即実行して取り入れた。ビラ撒きや店舗前での本気清掃、日売決算実行をしてきたが商工会からの表彰に繋がり、そのことによりテレビ取材が偶然入った。これが現在の営業活動に繋がっており、全ての原点としてビラ撒きと掃除がある。簡単なことかもしれないが、セミナー参加の中で上場企業社長から教わった凡事徹底という言葉、これがないと企業は発展できないのではと思う。

顧客獲得は社内の人間の成長と比例していると感じている。計画どおりにいかなかったことについて改善・修正をひたすらあきらめずに行うこと。その積み重ねで準備不足に気付けるようになることが重要と考えている。なぜうまくいかないのかということを自責できないと発展しないのではないだろうか。顧客の喜び=売上の数、つまり、売上がない店はお客様を喜ばせるチームを作れていない。顧客の喜びの数を集めるのは私たちにとっては人そのものだ。人の成長、そして組織の成長が一番大変だ。

5.今後の展開

意識しているのは同業他社と比較した成長スピードの速さ。今日まで布団屋さんで株式上場を果たした会社はなく、日本初の布団屋さんでのIPOを中間目標として掲げている。

商品と人とテクノロジーを掛け合わせて世界の全ての人の睡眠を良質なものとする。世界を朝から元気にし、私たちの人によるサービスで世界の人々の心の体温を上げる。それが、今後の展開のイメージ。良質な眠りを提供することを仕事とする以上、目的はブレないよう事業展開していきたい。

※掲載している内容は、4月7日に発令された緊急事態宣言前に取材したものです。

企業データ

企業名
Futonto株式会社
代表者
齊藤 淨一氏
所在地
東京都町田市原町田4-18-8 武川ビル3F
Tel
042-732-6667
事業内容
寝具販売