「経済的には本当に元気がない。このままでは能登の産業は本当に成り立たなくなるのではないかと心配になる」。こう語るのは、カワテンの井田氏。能登を訪れる観光客の数はなかなか回復せず、一方で、人口流出も進んでいる。公費による被災した家屋の解体は進んでいるものの、集落には更地のままになった土地が目立っている。復興への足取りは重く、事業者からは「時間の経過とともにこのまま能登は忘れられてしまうのでは」と心配する声も聞かれた。
「能登福幸べんとう」は能登半島地震の記憶の風化を防ぎ、消費を通じて、被災した事業者の再建を支援しようと企画された。地域の事情をよく知る中小機構のコーディネーターが、震災に負けず新しい事業にチャレンジしようと取り組む事業者を選定。それぞれ得意とする食材を前面に出した弁当を事業者に作ってもらった。
この日の販売会には計80食を用意。金沢駅を訪れた地元の方々にも購入していただき、午後2時には完売した。「被災地の状況を目の当たりにして、微力ながら応援しようと購入した」「こういった応援消費の場があるとありがたい」といった声をいただいた。
中小機構東北本部では、2011年の東日本大震災後、被災地の事業者の支援を目的に『東北福興(ふっこう)弁当』を企画し、事業者の協力を受けながら、毎年、被災地の食材を盛り込んだ弁当の販売を10年以上にわたって続けてきた。中小機構北陸本部もこのイベントを東北同様、継続的に展開し、能登半島の復興を後押しする考えだ。