そこには苦情がしたためられていた。そう、同社は飲む黒酢商品(「スーパー黒酢」)を販売しているが、飲むには水などで割らなければならない。それが件の消費者にとって面倒な作業だったのだ。
当時、酢を飲用するという行為は世間でほとんど知られていなかった。だたし、黒酢は原料(玄米)に多くの必須アミノ酸が含まれ、ダイエットや血圧を下げるなどの効能があるといわれ、古くから一部の人々によって飲用されていた。
そして、その一部の飲用者からの声に実は大きなヒントが隠されていた。そう、メーカー側は消費者が自由に黒酢を薄められるほうがいいと思いこんでいたが、実際はその逆だったのだ。なにもしないでそのまま飲めるほうがいい。それが消費者の生の声だった。
しかも、多くの清涼飲料品開発で苦渋をなめてきたが、自社のコア商品である黒酢を愛飲している消費者がすでにいる。なにも、流行のカルシウムやビタミンに走ることはない。自社の原点である黒酢から清涼飲料を展開していけばいいのだ。開発のベクトルは定まり、新しい清涼飲料の20品目のコンセプトは「薄めずに飲む黒酢飲料」に決まった。