06年3月、満を持して新商品を投入する。「ペプシネックス(PEPSI NEX)」。中身もパッケージデザインも、なにからなにまで一新した。
NEXのネーミングは「NEW EXCITEMENT」(新しい刺激)、「NEW EXPERIENCE」(新しい体験)、「NEW EXPECTATION」(新しい期待)を意味する合成語だ。阿部さんは続ける。
「ペプシコーラはペプシコ社との契約により、ペプシコーラについては商品設計を始めいっさいがっさい当社は手出しができません。改良するなどの口出しができないのです。しかしこのNEXに関しては、サントリーがペプシコ社との共同開発によって日本オリジナルの商品としてつくり出したのです」
ペプシコ社が自社以外の意向を織り込んだ初めてのペプシコーラだった。サントリーもその開発の意志を理解してもらえるよう、ネゴシエーションに不退転の決意と熱い情熱を傾けた。120年に及ぶ歴史と実績に裏打ちされたペプシコ社の矜持があるだけに、最初はにべもなく「ノー」とはねつけられた。それでもサントリーは、膨大な販売費を投じて市場戦略を展開してもこれが限界であり、日本人には日本人特有の味覚があり、それに適合した商品にしないと国内市場でのライバルの壁を突き崩すことはできない、と、具体的な数値や図表を示して説得を重ねた。