「ジョア」の開発は困難を伴った。特に難しかったのは、スプーンですくって食べる固形タイプとは異なり、ドリンクヨーグルトとして安定した液状タイプにすることだった。「お客さまに毎日おいしく飲んでもらうため、試行錯誤する日々が続いたそうだ」(業務部企画調査課の金安輝起主事補)という。
フレーバーには「プレーン」のほか、消費者に選べる楽しさを持ってもらうために「マンダリン」、「ブラックカーラント」の3種類をラインアップ。また、内容量は「ヤクルト」より多く、飲みごたえや継続性を考えた125ミリリットルにした。容器の形状は、くびれをつけて手にフィットするデザインを用いた。商品名はフランス語で喜びや明るさを意味する「Joie(ジョア)」を使うことに決まった。70年11月、世界初の飲むタイプのヨーグルト「ジョア」は発売された。
生きたまま腸内に到達し働く“乳酸菌シロタ株”とあわせて、カルシウムやビタミンDが摂取できるジョアは、発売2年後の72年には一日の出荷本数177万本を達成し、当時のヤクルト本社の乳製品出荷本数のうち10%を占めるヒット商品になった。
また、発売当初は「どろどろして飲みにくい」という声もあったが、こうした消費者の声に応えて発売後もさまざまな検討がなされて、風味の改善が図られていった。