こうなるとサントリーの角ハイボール展開は一気に加速する。まずは味を統一するために、“正統派の角ハイボールのつくり方”を説いて回った。
正統派の角ハイボールとは…。まず、ジョッキに氷をたっぷり入れ、生レモン果汁を搾る。そこに角瓶のウイスキーをジョッキ3分の1~4分の1ほど入れ、冷えたソーダ水を注いで完成。これが“正統派”だ。
この正統派角ハイボールのつくりかたを飲食店に指導して回り、併せて08年7月に角瓶のハイボール専用サーバー「角ハイタワー」を新たに開発し、各地のフラッグシップ店に導入していった。その結果、08年末には角ハイボールを取り扱う飲食店が1万5000店に達した。
また、一般消費者へ角ハイボールを訴求させるため、同年9月に女優の小雪をイメージキャラクターにCMを全国放映。さらに、ハイボールグラス、角ハイボールジョッキのプレゼントキャンペーンを展開した。
翌09年にはプレゼントキャンペーンのみならず、小売用のハイボール商品として「角ハイボール缶」(350ml)を発売し、飲食店用には「角ハイボール樽詰」を開発して導入を図った。その結果、角ハイボール缶は発売1カ月後に当初計画を1.8倍に上方修正するほどの盛況を示し、また、角ハイボールの取扱い飲食店も09年末には前年比4倍の6万店までに拡大した。まさに角ハイボールが大ブレークした1年となった。
角ハイボールの進撃は10年も続く。球場のスタンドで移動しながら販売するため、背負い型のハイボールサーバー「角ハイおんぶ」を開発し、角ハイボール缶ではロング缶(500ml)を発売。ハイボールを取り扱う飲食店も年末には14万店にまで拡大し(角瓶とトリスのハイボールを扱う飲食店の総計)、角瓶の出荷数量は07年に比べて1.7倍の295万ケースにまで達した。