同社はまず1960年、強肝・解毒をうたった錠剤(100錠入り)の疲労回復剤「リポビタン」とアンプル剤「リポビタン液」(20ml)を開発・発売。そして翌61年にドリンク剤第1号の「タウローゼC」を発売し、それを62年発売の「リポビタンD」につなげている。
商品名「リポビタンD」のうちリポビタンは、脂肪分解を意味するリポクラシスとビタミンとを組み合わせた造語。Dは、「タウローゼC」に次ぐ製品のDではなく、開発記号。A・B・C・D・E...と、複数の試作品がつくられた中で最終的にDに決まり、医薬品なのでドイツ語読みで「デー」とした。
「リポビタンD」という名称を聞いただけで、たいていの人が連鎖反応的に思い浮かべるのがCMメッセージの「ファイト一発!」。1950年代にテレビ時代が始まって以来、CMが数多くの流行語を生み出してきたが、「リポビタンD」の「ファイト一発!」ほど日本人の脳裏に刷り込まれたCMはない。
実は「ファイト一発!」がCMに採用されたのは1977年。「リポビタンD」発売後、15年近くも経ってからのことだった。だが、「ファイト」という言葉自体は、発売と同時に使われており、イメージキャラクターとして起用したプロ野球巨人軍選手のエンディ宮本が笑顔で「リポビタンD」を掲げるポスターの上部には、赤文字で力強く「ファイトを飲もう!」と大書している。