「ウイダーinドリンクの発売後、飲料の後発メーカーとして新規参入の難しさをいやというほど思い知らされました。缶飲料という商品形態ではどうしても差別化が図れない。どうすれば他社とは異なる商品にできるのか。いろいろと考えました。
また、アスリートたちがどんなものを求めているかも調べました。当時の五輪選手だった橋本聖子さん(現参院議員)からは毎朝牛乳とバナナを摂っていると伺いました。ほかのアスリートからも食べることと飲むことを一緒にしたいという声を多く聞きました。それらを耳にして、これだ!と思い付くものがありました」
簡単に口からエネルギーを補給でき、その後にすぐ運動ができる。しかも、飲みながらも食べた感じがするもの。それらのニーズを満たせる食品とは-。
“飲むゼリー”だった。これならアスリートのニーズを満たせる。しかも、森永製菓はかつて飲むゼリーを商品として製造・販売した経験があり、その製造技術(ゲル化技術)も社内に蓄積されている。ゼリーにすれば、「食べる」と「飲む」の両方の需要が同時に満たせ、しかものどの通りがよく食感もある。さらに栄養素はもちろん、水分補給もできる。
飲むゼリーという商品形態なら栄養素と水分を同時に摂取でき、しかもその後すぐに運動できる。このコンセプトなら市場のニーズを満たせる。が、1つだけ問題があった。容器だった。簡単に口から摂取できる容器がなかった。缶では飲み残せないという問題があり、適用できない。また、ひと口羊羹のような小さなアルミ包装を試してみたが、手がべたついて食べにくい。もっと簡単に口にできる容器はないか。社内で試行錯誤を繰り返す中、包材メーカーからスパウト付アルミパウチが提案された。それはすでにフルーツソースなどの商品に実用されていた容器だった。そこにゼリーを入れてみる。実に具合がいい。吸えばゼリーを飲めるし、容器を押せば容易に中身を出せる。しかも携帯性に優れ、動きながらでも摂取できる。