同社は、人工流れ星の「Sky Canvas」事業のほか、大気データ事業と宇宙デブリ対策事業を手掛けている。いずれも人工流れ星への取り組みから派生したものだが、社会課題の解決にも大いに貢献することが期待されている。
このうち大気データ事業は、中層大気データを、小型衛星に搭載したセンサーや人工流れ星の軌道、発光から得て、地球の気候変動のメカニズム解明に活用しようというもの。とくに、地上からは取得が難しい海上の大気データを人工衛星から集めることで、近年、世界各地に多大な被害をもたらしているゲリラ豪雨や大型台風など異常気象の予測精度を高めることにつながるという。
また宇宙デブリ事業は、役割を終えた人工衛星がそのまま宇宙空間に残ってデブリ(ごみ)になることを防止するもので、同社の人工衛星には宇宙デブリ拡散防止装置が搭載されている。同装置により、例えば流星源の放出や大気データの取得といった役割を終了した人工衛星はその後すみやかに軌道を離脱して大気圏に再突入し、焼却・廃棄となる。人工衛星もまた、流れ星となって華々しい最後を飾ることになるのだ。実証を行った後、同装置の製造・販売を事業化する考えだ。
このように、人工流れ星から始まった同社は、気候変動のメカニズム解明や宇宙デブリの防止へと事業領域を広げ、科学と人類の持続的な発展に貢献できるビジネスを目指すベンチャーに進化した。「かつては『科学とエンターテインメントの両立させる』ぐらいで、うまく言語化できていなかった」(岡島氏)という同社のミッションも現在は「科学を宇宙につなぎ、宇宙を文化圏につなぐ」という明確なものとなっている。