ビジネスQ&A

NPO法人設立のポイントを教えてください。

私の地元宮城県でNPO法人(特定非営利活動法人)を立ち上げて、震災復興のために活動しようと考えています。NPO法人の設立にむけては、どのような準備が必要でしょうか。また、設立までにどのくらいの期間を見込めばよいのでしょうか。

回答

設立には、事業計画策定と申請書類作成が必要です。事業計画を練ったのち、申請書類を作成後、各都道府県庁に届け出ます。認証決定後、登記を行い法人成立となります。設立に要する期間は認証期間を含めて、最低でも4カ月程度の準備期間を見込んでください。

設立は大きく、設立準備期間、認証期間、登記期間の3つのステップに分かれます。ここでは大まかな流れを記載しますが、詳細な手続きは都道府県によって異なる場合がありますので、各ホームページで確認を行ってください。

【第1ステップ:設立準備期間】

(1)事業計画

会社設立における事業計画と変わりありません。事業目的を明確にしたうえで、賛同者を募り、体制(役員・社員)を整備し、収支計画を練りましょう。

(2)書類作成

申請書類には、設立趣旨書や役員名簿、定款、活動予算書などがあります。書類は各都道府県のホームページからサンプルをダウンロードすることができます。

(3)事前相談

申請書類が完成したら、都道府県に事前相談を行います。NPO法人の設立要件に沿った事業計画の見直しや書類不備などにより、1回では終わらないことも多く、なかには何カ月も要する方もいるようです。
都道府県によっては、事前相談を必須としない場合もありますが、設立総会の後の申請時に不備が発覚した場合には、あらためて臨時設立総会が必要になります。できるだけ事前相談は行った方がよいでしょう。

(4)設立総会

役員、社員を招集し、設立総会を行います。場所は、喫茶店などでも構いません。この設立総会では役員選定や、定款・事業計画の共有など、全メンバーと意識の擦り合わせを行いましょう。また、ここでの議事録は申請の際に必要となりますので、忘れずに議事を書き留めておいてください。

(5)申請

申請書類ができ次第、各都道府県の指示にしたがって申請してください。

【第2ステップ:認証期間】

(1)縦覧期間

申請受理後、2カ月間は、一般市民に公開してチェックしてもらう縦覧期間です。これは会社設立にはないもので、事業計画書や定款、活動予算書などが公開されます。窓口以外にインターネット上でも公開されます。

(2)審査期間

縦覧期間と並行して、都道府県による4カ月間の審査期間が発生します。申請数や時期によっては、期間が増減するようです。

(3)認証決定

縦覧期間、審査機関を経て認証の決定が行われます。不認証となる場合もありますが、その場合は再申請を行うことになります。

【第3ステップ:登記期間】

(1)事業計画

会社設立における事業計画と変わりありません。事業目的を明確にしたうえで、賛同者を募り、体制(役員・社員)を整備し、収支計画を練りましょう。

(1)登記

認証決定後、認証書を受け取ることになります。受け取った日から2週間以内に、主たる事務所の所轄法務局において設立登記が必要となります。登記が完了したら、NPO法人が成立したことになります。 なお、複数の事業所がある場合は、それぞれ所轄する法務局に登記が必要となります。

(2)諸手続き

都道府県庁に、登記完了したことの届け出を行います。

設立準備から登記まで4カ月以上は必ずかかる点は、注意が必要です。活動開始時期から逆算して、いつから準備を開始しなければならないか、よく検討してください。

回答者

中小企業診断士
金子 敦彦