分与された財産の額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の価額やその他すべての事情を考慮してもなお多過ぎる場合
この場合、その多過ぎる部分に贈与税が課されます。
離婚が贈与税や相続税を免れるために行われたと認められる場合
この場合は、離婚によってもらった財産すべてに贈与税が課されます。
なお、土地や家屋などを分与したときには、分与した人に譲渡所得の課税が行われますが、譲渡した資産が居住用資産の場合には、「居住用資産を譲渡したときの特別控除」の規定を使えますので、その適用要件を事前にチェックしておく必要があります。
6.贈与税の非課税財産
下記の財産については、その財産の性質や贈与の目的などから贈与税が課税されないことになっています。
1)法人からの贈与により取得した財産
贈与税は個人から財産をもらった場合にかかる税金であり、法人から財産をもらった場合には贈与税ではなく所得税がかかります。
2)夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者の間で生活費や教育費に充てるため取得した財産
ここでいう生活費は、その人にとって通常の日常生活に必要な費用をいい、また、教育費とは、学費や教材費、文具費などに充てるための費用をいいます。
なお、非課税となる生活費や教育費は、必要な都度直接これらに充てるためのものに限られます。したがって、生活費や教育費の名目で贈与を受けた場合であっても、それを預金したり株式や不動産などの買入資金に充てている場合には贈与税が課税されることになります。
3)宗教、慈善、学術その他公益を目的とする事業を行う者が取得した財産で、その公益を目的とする事業に使われることが確実なもの
4)奨学金の支給を目的とする特定公益信託や財務大臣の指定した特定公益信託から金品を取得した場合で一定の要件に当てはまるもの
5)地方公共団体の条例によって、精神や身体に障害のある人又はその人を扶養する人が心身障害者共済制度に基づいて支給される給付金を受ける権利
また、国内に居住する特定障害者が特定障害者扶養信託契約に基づいて信託受益権の贈与を受けた場合には、その信託の際に「障害者非課税信託申告書」を信託会社の営業所を経由して特別障害者の納税地の所轄税務署長に提出することにより、信託受益権の価額(信託財産の価額)のうち、6,000万円(又は3,000万円)までの金額については贈与税が課税されません。
6)公職選挙法の適用を受ける選挙の候補者が、選挙運動のために取得した金品
この場合、公職選挙法の規定により報告がされているものに限られます。
7)個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物又は見舞などのための金品で、社会通念上相当と認められるもの
8)直系尊属から一括贈与を受けた教育資金のうち一定の要件を満たすものとして贈与税の課税価格に算入されなかったもの(下記7 参照)
9)直系尊属から一括贈与を受けた結婚・子育て資金のうち一定の要件を満たすものとして贈与税の課税価格に算入されなかったもの(下記8 参照)
10)相続や遺贈により財産を取得した人が、相続があった年に被相続人から贈与された財産
この場合は、贈与税の課税対象とはしないで、相続税の課税対象として相続財産に加算することになっています。
7.教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置
【制度の概要】
(1)祖父母(贈与者)が、金融機関に子・孫(受贈者)名義の口座等を開設し、教育資金を一括して拠出した場合、この資金について、子・孫ごとに1,500万円までを非課税とします。
(2)教育費の範囲は、学校などへの入学金や授業料、学校以外の塾や習い事の月謝等とし、学校以外の者に支払われるものについては500万円が限度となります。
(3)教育資金の使途は、金融機関が領収書等をチェックし、書類を保管します。
(4)子・孫が30歳に達する日に口座等は終了します(使い残しや教育資金以外の支払いに充てられた金銭があれば、贈与税が課税されます)。
(5)平成25年4月1日から平成31年3月31日までの措置です。
【注意】
(1)学校等に直接支払われる入学金、授業料その他の金銭(1,500万円枠)
学校等に対して支払われる、教育に係る役務の提供への対価又は教育を受けるに当たり通常必要とされる物品の購入費。例えば、施設整備費、教育充実費、修学旅行・遠足費は含まれ、学校等に直接支払われない下宿代、留学先への渡航費は含まれません。
(2)学校等以外の者に教育に関する役務の提供等の対価として直接支払われる金銭(500万円枠)
学習活動、スポーツ、文化芸術に関する活動、その他教養の向上のための活動にかかる教育指導として社会通念上認められるものへの対価。
例えば、学習塾、予備校、文化芸術活動(楽器、舞踏、絵画など)、スポーツ活動(水泳、野球、サッカー、テニス、武道、体操など)、その他教養(習字、そろばん、外国語会話など)が含まれます。
8.結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置
【制度の概要】
(1)直系尊属が、20歳以上50歳未満の子・孫の結婚・子育て資金に充てるため、金融機関等との契約に基づき、銀行等に預入をした場合他一定の場合には、1,000万円までは非課税とします。
(2)結婚に際して支払う金額は、300万円が限度となります。挙式費用、婚礼の衣装代や新居費用、転居費用(期間の規定あり)が該当します。
(3)子育てに際して支払う金額の内容は、妊娠、出産及び育児に関するものになりますので、不妊治療、妊婦検診、分娩費用、子供の医療費、幼稚園・保育所の保育料(ベビーシッター代を含む)が該当します。
(4)結婚・子育て資金の使途は、金融機関が領収証等をチェックし、書類を保管します。
(5)贈与者が死亡した場合、死亡日における残額が相続税の対象になります。
(6)受贈者が50歳になった場合には、口座の残額が贈与税の対象になります。
(7)平成27年4月1日から平成31年31日までの措置です。
【参考資料】