子の看護休暇(育児介護休業法第16条の2、第16条の3)
時間外労働・深夜業の制限(育児介護休業法第17条、第19条) など
介護についても同様に、介護休暇の制度などを設けて、仕事との両立を支援しています。家庭と仕事を両立させ、ワークライフバランスの実現を図ることは、多様な働き方を実現する意味でも重要です。このことは、フリーランスであっても変わることはありません。
しかし、労働者ではないフリーランスは、労基法や育児介護休業法による両立支援の対象とならず、ワークライフバランスの実現が困難な状態でした。そのため、フリーランス保護新法によって、「育児介護等と業務の両立に対する配慮義務」が定められ、その保護が図られることになりました。
4.育児介護等と業務の両立に対する配慮義務
フリーランス保護新法第13条には、「育児介護等と業務の両立に対する配慮義務」が定められています。フリーランスの多様な希望や働き方に応じて、発注事業者が柔軟な配慮を行うことを義務付けています。同規定は、フリーランスが、育児介護等との両立を図りながら、その有する能力を発揮し、業務を継続できる環境を整備することを目的とした規定です。
(1)具体的な配慮義務
発注事業者は、継続的業務委託について、フリーランスからの申出に応じて、育児介護等と業務を両立できるように必要な配慮をしなければならないとされています。具体的な配慮の内容や考え方ついては、厚生労働大臣が定める指針において明確化するとされていますが、以下のような対応が考えられます。
-
妊婦検診の受診のための時間を確保や就業時間の短縮
-
育児や介護等と両立可能な就業日や就業時間の調整
-
オンライン業務への変更
フリーランスが、「育児のために就業日を変更したい」と申し出た場合には、発注事業者はフリーランスと交渉のうえで「〇曜日に就業日を変更する」といった対応をしなければなりません。ただし、この配慮義務は申出の内容を検討し、可能な範囲で対応を講じることを求めるものです。そのため、申出の内容を必ず実現することまでを求めるものではないことに留意が必要となります。
(2)配慮義務の対象
配慮義務の対象は全ての業務委託ではなく、政令で定める期間以上の継続的業務委託となります。期間を限定しているのは、一定期間継続して取引をしている発注事業者に対しては、フリーランスの業務における依存度が高まると考えられることがその理由です。
また、継続的業務委託以外の業務委託に関しては、配慮義務ではなく「配慮の努力義務」が課されています。なお、この政令で定める期間については、フリーランス取引の実態に即した期間の設定を検討していくとされているため、最新の情報を把握するように努めてください。
5.義務違反とならないように注意を
正確な募集情報が表示されていなければ、フリーランスは安心して取引に臨めません。また、フリーランスであっても、家庭と仕事の両立を図ることはワークライフバランスの実現の観点から重要です。適正な取引と多様な働き方実現のためにも、当コラムで紹介した2つの義務を守り、フリーランスとの良好な関係を構築しましょう。
監修
涌井社会保険労務士事務所代表 社会保険労務士 涌井好文