定額方式
ポイント制方式
などがあります(表1)。これらは、退職金制度と給与とを切り離す方法と言えます。
一般的に、退職金は以下の式で計算されます。
退職金=算定基礎額(A)×一定の支給率(B)+特別加算または減算額(C)
このとき、(A)の算定基礎額では、基本給をそのまま用いる方法のほか、前述の別テーブル方式、ポイント方式などが用いられます。
また、(B)の支給率は、勤続年数や退職事由により設定されています。勤続年数による設定には、一律に増加する方式や会社への貢献度に応じ、上昇率が変化する段階別変化方式などがあります。なお、退職事由では、会社都合による退職かどうかなどを考慮してそれぞれ支給率を設定していきます。
(C)の特別加算または減算額では、算定基礎額および一定の支給率では調整できない事由を補完します。この例としては、功労加算や懲戒などによる減算があります。減算する場合には、具体的な減算事由をあらかじめ規定しておく必要があります。
このように退職金は算定されますが、どの方法が最善というわけではなく、それぞれの企業の状態に合わせて選択する必要があります。たとえば、算定基礎額で上記の2つの方式を併用したり、その対象者によって退職金制度を設定したりということが考えられるでしょう。
また、退職金制度を設けても、実際に支払が必要となったとき、その原資が不足し、支払が困難となることも考えられます。そのため、退職金制度を設けたときには、退職金の支払いに充てるべき額について金融機関との補償契約などにより保全措置をとるよう努める法的義務があります。
さらには、中小企業が単独で退職金制度を設けることが難しい場合も多いため、このような中小企業を対象に勤労者退職金共済機構が実施する「中小企業退職金共済制度」や特定退職金共済団体(商工会議所、退職金の支給を主たる目的として設立された公益法人など)が実施する「特定退職金共済制度」などの活用も検討するとよいでしょう。この場合、上記の保全措置は必要ありません。
ほかにも、退職金制度の設定や変更の際には、退職金支払い規定の作成、変更に伴う経過措置や対象者の範囲、支払方法、法務や税務の関係など、さまざまな要素を考慮する必要がありますので、専門家などの助言を受けつつ、自社の状況に合わせて運用するようにしてください。