【棚卸しの意味合い】
小さな個人商店でも大きな工場を持つ会社でも、棚卸しは必ず行われています。
ただし、在庫の受払に関するコンピュータシステムを持っている企業とそうでない企業とでは、棚卸しの意味合いが異なります。まず、在庫の受払システムを持っていない企業の場合、棚卸しは期末在庫の数量・評価などを現実に把握するための唯一の手段です。それによって、利益計算をするわけです。
これに対して、在庫の受払システムを持っている企業にとって、棚卸しとは、棚卸資産が実際に存在しているかを確認するとともに、在庫管理がうまく機能しているかどうかその有効性を確かめる手段なのです。質問内容から推測すると、貴社はこちらのタイプの会社と思われます。
実地棚卸しの目的は、上記のように在庫の正確な数量を把握することですが、もう一つ目的があります。それは、帳簿上の在庫数量を修正して、実地棚卸しの数量に合わせることです。この修正によって、帳簿棚卸しの数量も信頼できるようになるのです。しかし、時間が経過すると再び差異が生じてくるので、実地棚卸しは定期的に行われるようになったのです。
【実地棚卸しの手順】
実地棚卸しは、実際に現品を確認するわけですからデータの正確性という点ではこれに勝るものはありません。しかし、大きな問題としてその手続きや作業にはかなりの手間がかかります。それでは、実地棚卸しを効率的に行う手順を考えてみましょう。
(1)まず、コンピュータによって棚卸しリストを作成します。内容は、棚卸し時点で在庫となっている品名、所在場所(棚番号など)、ブランクの数量欄が必要です。
(2)棚卸し担当者は、上記(1)のリストの数量欄に実際に確認した数量を記入します。
(3)棚卸しリストに記入されたデータを、データ端末から入力します。
(4)入力データにより、在庫ファイルの在庫数を実地棚卸し数量にあらためます。
以上が一般的な流れです。手順としては、それほど複雑なものではないですが、その作業や事務処理は月末など一定時期に集中しますので、残業や早朝出勤が必要となり、担当者に負担がかかることになります。
表1 在庫チェックリスト サンプル
アイテム数の多い卸売業などでは、棚卸しにも工夫が必要となります。集中作業を緩和する方法として、巡回棚卸しを採用している会社も多くあります。たとえば、全アイテムを12のグループに分けて、毎月1グループずつ順番に棚卸しを行います。1年後には全アイテムを対象に、実地棚卸しをしたことになります。
貴社の実情に合わせた棚卸しの工夫を行ってみてください。