トップの論理的な判断とリーダーシップ
従業員のモチベーション向上
図1 計画達成手段
これらについて、1つずつ以下に説明していきます。
【マネジメントシステムの確立】
一般に経営計画は年度や半期ごとの期首に立案することが多いのですが、会社の大きな方針であることが多く、期間ごと、部署ごとにいつ・誰が・何をするかといった細かいところまでは決められていないことが多いので、まずは計画を部門別、個人別、期間別などにブレイクダウンしてみるとよいでしょう。こうすることにより、会社の大きな目標達成のために部門、個人、期間ごとにそれぞれ何を目標にすればよいのかが具体的になり、達成状況の測定もしやすくなります。
また、それらはなるべく明確に数値化しておいたほうがお互いの目標への認識のギャップを防ぐことができるなどの効果があります。
さらに、目標達成のためには経営トップだけではなく従業員の士気向上が不可欠ですので、昨今多くの企業などで導入されている成果主義賃金制度を、この目標達成とリンクさせるというのも一つの手段です。これは会社目標を部署目標から個人別目標にブレイクダウンし、これを達成できたか否かを賃金に反映しようとするものです。
ただしこの場合、注意しなければならないこととして、目標設定の時点でお互いが納得していることや、目標を達成するか否かがすべてではなく、組織の中での協調性や他人の補助を行うなど、目標達成のためのワンマンプレイを防ぐような施策を同時に施すことなどがあります。
部門ごとに目標を設定したら、各部門長や部員に一定の義務が課せられるわけですから、目標を達成するために必要な権限もできる限り委譲していきましょう。トップ1人でできることは限られていますし、権限と義務がアンバランスな状態にあると不満やモチベーション低下の要因になりかねません。
また、期首に目標を設定した時点で予測し得なかった事態が期中に発生した場合は、必要であれば当初の計画を見直すようにしましょう。その時点で諦めてしまうのではなく、環境が変わった時点でとるべき目標があるはずですから、いったん考え直すことも大切です。企業は、そのような大きな環境変化に絶えず対応していかなければならないものです。
【トップの論理的な判断とリーダーシップ】
次にトップの行動についてご説明します。前述で述べた目標の明確化やブレイクダウン、各個人との納得のできる目標すり合わせや、期中の計画変更などはトップの取るべき行動に含まれますが、それ以外に重要なこととして、従業員や株主などの関係者に対して、その計画について説明するということです。従業員に対してはなぜそれだけの売上・利益が必要なのかを説明して理解してもらうことにより、モチベーションの向上につながりますし、関係者に対してはその達成のための施策と合わせて説明することにより、出資や融資を仰ぐための手段となります。
のうえでトップは重要度・優先度の高い部門から経営資源や自らの関与を集中させていく、というのが目標達成のためには重要となります。
【従業員のモチベーション向上】
さて最後に、目標達成のためにもっとも重要な従業員のモチベーション向上についてですが、すでに述べた成果主義賃金制度の導入や目標設定時の納得度向上、トップによる計画の必要性の説得が、これに関するものです。とくに、トップが直接その計画達成の必要性とそのために個人が果たすべき役割を説明することにより、従業員と経営との距離が近くなり、士気の向上が期待できます。