ビジネスQ&A

どうしたらもっと売れるのでしょうか?

2021年 4月14日

入浴剤の新製品を作り、だいぶ小売店の棚に置かれることも増えてきました。ただ、他社の入浴剤の売れ行きに比べると売上順位では下位のグループで、期待通りには売れていません。ネット販売もしていますが、同じような状況です。広告を出したり、SNSに書き込んだり色々手は打っているのですが・・・。どうしたらもっと売れるのでしょうか?

回答

まずは顧客視点で購買に至るプロセスを見直し、どの段階に原因があるか突き止めることが糸口になります。配荷は順調とのことなので、商品コンセプトが顧客に伝わっていないか、商品自体に弱点がある可能性があります。必要な対策と効果検証を重ねて改善していきましょう。

売れない原因を突き止める

売れ行きが思わしくないと、売れている商品の表面的なマネをしたり、思い込みや思い付きで脈絡なく手を売ったりしてしまいがちですが、どこに問題があるかアタリをつけましょう。以下の図の中で、どのプロセスに問題があるか考えてみるとわかりやすいでしょう。

①知名の前段階に問題がある

商品の名前が知られていない、存在が知られていない状況です。広告等の告知活動の絶対量が不足している可能性が高いです。

②知名~理解の間に問題がある

商品名は知られていますが、具体的にどんなものかイメージされていない状況です。間違ったイメージが持たれている場合もあります。それは入浴剤なのか、どんな入浴剤なのか正しく伝わっていないということです。

③理解~好意/購入意向の間に問題がある

どんなものかは理解されているが、魅力が伝わっていない状況です。ターゲット顧客にとっての利便性や、商品の優れた点が説得力を持って発信されていないと考えられます。

④購入意向~トライアルの間に問題がある

買ってみようかと思われたのに、実際の購買まで至らない状況です。品切れであったのでなければ、買い方や注文方法がわかりにくい、面倒であるなどの可能性があります。

⑤トライアル~レギュラーの間に問題がある

一度は買ってもらったが、それきり買われない状況です。商品体験の満足度が足りないことを意味し、商品自体の欠点に起因する場合は特に注意が必要です。そういう状態のまま売り続けると、製造会社に対する信用も損なってしまうことがあるからです。

原因への対策

原因

対策

知名

予算の許す限り広告の量を増やします。ターゲット顧客の少なくとも4割、できれば6割くらいが知っている状況を目指します。ばらまき広告では効率が悪いのでターゲットの絞り込みも必要な場合があります。

理解

イメージと商品コンセプト、イメージとメッセージの間にズレがあると誤解を生じます。矛盾のあるメッセージを発信していないか、伝え方を見直す必要があります。

好意/購入意向

ターゲット顧客にとって、その商品が他と違うこと、他より優れていることを納得し、共感してもらうことが魅力につながります。そのようなメッセージになっているか、内容を見直す必要があります。

トライアル

買おうと思った人が、どこで何をすればいいのか明確にし、手続きをシンプルにします。特にWebサイト経由での購入では、画面の直感的なわかりやすさや操作性の向上が重要です。

レギュラー

商品の使用体験への不満など、品質に原因があることが明らかな場合は速やかに商品改良を行います。そうでない場合は使用方法の説明改善やアフターサービス、接客改善などで対処できることもあります。

まとめ

商品自体の改良が必要な場合は大ごとになってしまいますが、商品の魅力が顧客に伝わっていない場合は、顧客とのコミュニケーションを見直し、再設計することで改善が可能です。その際、商品コンセプトの見直しが必要になってくることもあります。常に販売状況や顧客の声をモニタリングしながら、販売を増やすための打ち手を戦略的に進めていくことをお勧めします。

回答者

中小企業診断士 橋本 良一

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