自宅勤務などの方法により、労働者を業務に従事させることができるかを十分に検討したか
他に就かせることができる業務があるにもかかわらず、労働者を休業させていないか
4.(具体例)新型コロナウイルス感染症対応(1)(営業を自粛するよう要請を受けた場合)
新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく対応の中で、営業を自粛するよう要請を受けた場合のように、労働者が出勤できなかったときは、不可抗力を主張して「労働基準法によって休業手当は支給しない」とすることも可能とされました(厚生労働省ホームページでも公表されました)。ただし、本当に「不可抗力」であるかどうかは個別の事情で判断されますので、注意が必要です。
5.(具体例)新型コロナウイルス感染症対応(2)(事業の休止などを余儀なくされた場合)
新型コロナウイルスによって事業の休止などを余儀なくされた場合、使用者の責に帰すべき事由による休業として休業期間中の休業手当を支払った例、不可抗力として対応した例がありました。
たとえば、海外の取引先が新型コロナウイルス感染症を受け事業を休止したことに伴う自社の事業の休止である場合、(1)その取引先への依存の程度、(2)他の代替手段の可能性、(3)事業休止からの期間、(4)使用者としての休業回避のための具体的努力、などを総合的に勘案して判断することが求められました。
6.雇用調整助成金の活用
ご質問にあるように、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされ、雇用調整を行わざるを得なくなった事業主が、労働者に対して一時的に休業、教育訓練または出向等を行うことで労働者の雇用を維持した場合、雇用調整助成金として、休業手当、賃金等の一部が助成されます。上記の新型コロナウイルスの際には多くの特例が設けられましたが、通常であれば、多くの法定の書類を添付書類として求められます。常日頃からこれらの書類を作成しておくことが重要です。
7.おわりに
繰り返しになりますが、使用者の責任により休業した場合には、労働者から最低でも平均賃金の6割の休業手当を請求されます。しかし、民法の規定を排除する特約が締結されていない場合は、賃金の全額について請求されることがあります。経営者としては、就業規則や労働協約等で休業手当の取り扱いを定めておくことが大切です。弁護士や社会保険労務士の専門家に相談してしっかりと体制を整えておくことで、会社の運営が厳しくなったとしても柔軟な対応ができます。