PFOAの塩
化学式C7F15(本来数字は下付き文字であることにご留意ください)が別の炭素原子に直接結合した直鎖または分岐ペルフルオロヘプチル基を有する任意の関連物質(その塩およびポリマーを含む)
図1:PFOAの塩
2020年7月4日以降、製造に使用してはならない、または市場に出荷してはならない:
(a) 別の物質の成分
(b) 混合物
(c) 成形品
基準は、「25ppb(parts per billion 1ppm=1,000ppb)以上の濃度のPFOA(その塩を含む)又は1, 000ppb以上のPFOA類物質の一つ又は組み合わせ)です。
除外要件に「6原子以下の炭素鎖を有するフッ素化合物の製造の不可避の副産物として生じる物質」があります。
なお、Entry 68の規制は削除され、規則2019/1021(EU POPs規則)に移動します。(注4)
REACH規則の附属書XVII Entry 68の規制(EU POPs規則)は、半導体のフォトリソグラフィ工程又は化合物半導体のエッチング工程などのエッセンシャルユース(特定用途の除外)が認められており、当分の間は、PFOAが流通することになります。エッセンシャルユースが全くない廃絶であれば、コンタミなどのリスクはないのですが、エッセンシャルユースが認められていますのでコンタミが危惧されます。
また、「不可避の副産物」の解釈や対応に戸惑いがあります。
PFOAはPOPs条約の附属書A物質で、日本では化審法の第1種特定化学物質として規制されます。POPs条約の附属書A物質は「廃絶物質」で、特定の要件のエッセンシャルユース以外は、濃度0%が要求されます。
しかし、現実は不純物、副生やコンタミでの混入がないことをどのように順法証明をするかが問題になります。日本などのアジア圏の諸国は、企業の自主的対応より国が判定をする傾向があります。
化審法の第1種特定化学物質については、BAT(Best Available Technology/ Techniques利用可能な最良の技術」の原則により、その含有割合が工業技術的・経済的に可能なレベルまで低減していると認められるときは、当該副生成物を第一種特定化学物質として取り扱わないこととしています。
個々の物質について、審議会で検討されます。(注5)
経済産業省のホームページでは、「BATは、副生される第1種特定化学物質の低減方策と自主的に管理する上限値を設定し、厚生労働省、経済産業省、環境省に対して事前確認を受けた上で報告した場合、副生される第1種特定化学物質が上限値以下で管理されている限り、化審法の第1種特定化学物質として取り扱わないこととしております。」としています。(注6)
貴社の状況から、PFOAのコンタミの可能性は極めて低いと思えます。
BATについてはEUと日本の考え方が違うように見えますが、根源の目的は同じですので、PFOAの非含有宣言も同様の厳しさが求められます。
PFOAの含有量の分析試験法の公定法は告示されていませんが、LC-MS/MS(タンデム)になる可能性があります。LC-MS/MSの測定法は測定機関が少なく、高額になる可能性があります。
分析試験での実証でなく、品質マネジメントシステムの運用によりサプライチェーン管理を確実に行うことが肝要です。顧客には、この順法の仕組みを顧客に説明するようにします。
引用情報等