2020年12月に地域未来牽引企業に選定され、今まで以上に地域経済に貢献したいと考えるようになった。このため、山中漆器の新ブランド「YUIYU(ゆいゆ)」を立ち上げた。「成長する漆器」がテーマで、フラワーデザイナーが考えた「時とともに色が変わる植物のような漆器」に仕上がった。
素材には国産の天然木を使用。植物のようなかたちに近づけるため、回転ろくろや旋盤のほか、手彫りでも木地を整え、花のような曲線や球根の芽吹きを表現した。形は「八重」「浮葉」「球根」「蕾」「若茎」の5種類、色は「ベリー」「ミモザ」「オリーブ」「ヒアシンス」「ライラック」「セサミ」の6種類を用意。生漆の経年変化により、最初は飴色だった漆がゆっくりと透明に近づいていき、半年後には漆の下に隠れていた色が浮き出てくるというサプライズがある商品である。
今後はコロナ禍前の営業方法ではなく、見込み客に対してメール・電話・ウェブ会議ツールを活用して非対面で営業するインサイドセールスや、マーケティングを強化する。国内で花屋が減少している理由の一つは、「生花」だけを扱っている点にある。海外では花に合うインテリアも扱う花屋が多い。そうした事業展開や「ライフスタイルの中の花」といった商品提案を志向していきたい。新ブランド「YUIYU」は、山中漆器の次は九谷焼など陶磁器を開発する予定だ。
また中小機構の支援を受け、経営方針にSDGs(持続可能な開発目標)宣言を組み込み、SDGsを意識した商品づくりを進めている。例えば、中古の段ボールにシールを貼って再利用するといった取り組みを進め、取引企業からも好評を頂いている。これらをまとめたSDGs宣言のパンフレットを作成し、積極的な発信に努めている。
近年はDX(デジタルトランスフォーメーション)に対する取り組みも進めている。まずは経理システムなど身近なところから始めていく方針だ。