2014年に代表取締役に就任するまでは、国内生産が盛んであり、「作れば売れる」という時代であった。しかし、海外製品の台頭により国内メーカーの生産量は減少し、低コスト・大量生産の拠点が日本国内から中国やASEAN(東南アジア諸国連合)地域に移行。当社の大口取引先の工場が閉鎖されたことにより、安定した受注が見込めなくなり、その対応に追われることになった。
打開策として、まず量産志向だった業態を転換し、多品種・小ロット・短納期を強みに掲げて、自社の技術対応力・提案力を武器に取引先を開拓した。入社以来、製造管理や品質管理、リペアー、営業、また協力企業への出向など、多種多様な現場で得た経験が役に立った。
また、そのタイミングで中小機構東北本部の「専門家継続派遣事業」を受けることができ、PDCA管理の仕組み化や実装ラインの生産効率向上を図ることにより、筋肉質な企業体質へと変わるための強力な後押しとなった。その結果、人員削減をすることなく黒字化を達成することができた。
昨今のコロナ禍での課題としては、世界的に半導体やモールドコネクタの生産量が低下し、必要量が供給されないという異常事態となり、受注した製品の部材の納品に遅れが生じていることが挙げられる。部材の納品が遅れると、受注案件のスケジュールが予定どおり進行せず、ラインの稼働計画に大きな影響を及ぼすこととなる。
このような外部環境にも耐えうる企業体質を目指し、中小機構が提供するITを活用して課題を解決する「戦略的CIO育成支援事業」を2020年7月から受けている。事前にシステムの導入効果をシミュレーションし、月200万円程度のコスト削減を見込んでいる。現在、計画したスケジュール管理と部材管理システムを導入し、昨今の部材要因による生産計画の急激な変更に耐えうる運用を開始した。