1956年(昭和31年)に祖父が創業し、父、叔父が引き継いだ後、7年前に私が4人目の社長に就任した。創業当初は家庭用洗濯糊や工業用接着剤・石鹸などを製造していたが、市場の需要があったため、食品の配送・保存用として使う保冷剤の製造に切り替えた。ただ保冷剤は夏に需要がある商品。従業員の雇用を継続的に守るため、冬の商品である手袋の製造も始めた。他社と差別化するために、寒冷地用の防寒手袋や作業用手袋に特化した。
作業用手袋は自社ブランドが多く、作業服店やホームセンターで販売している。20年ほど前から製造は中国に移管し、一部中国でも販売しているが、国内での販売がほとんど。自動車関係の油まみれになるような作業をしている方に、利用していただいていることが一番多い。
一方の保冷剤も国内販売がほとんどで、ごく一部を韓国や東南アジア諸国連合(ASEAN)地域に輸出している。コロナ禍になる前は、タイを訪問してサプライヤーやパートナーを探したり、展示会への出展を計画したりしていたが、現在は保留中だ。
このほか、医療機関と連携した医療機器や植物由来の原料を活用したエコ保冷剤の開発など、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みも実施している。売上高比率は作業用手袋が35%、保冷剤が25%、頭や体を冷やす保冷具が25%、医療機器が5%といったところ。最近になって事業の多角化や海外展開を進めているので、経営は弟の専務と2人で担っている。
コロナによる影響は出ている。自動車関係の工場の操業停止に伴い、20年4~6月は売り上げが50%減となった商品もあった。一方で夏場のマスク着用により、保冷剤付きマスクや熱中症対策グッズが良く出た。コロナ禍前の19年10月期は17億4000万円だった売上高が、20年10月期は16億6000万円、21年10月期は16億2000万円と推移した。