熟練の職人が豊かな福井の素材を日本料理に仕上げて提供する料亭「開花亭」を運営している。1890年(明治23年)に初代が、足羽山と足羽川を眺められる場所に開花亭を構えた。当時は2000坪の店構えで、建設されたばかりの福井市役所の隣、物流や人流の要となる場所で営業を始めた。
福井は震災や水害が多く発生し、戦火にも見舞われた。200畳の大広間を構えて福井の料理・娯楽を牽引する存在だった屋敷も、1945年の福井空襲と1948年の福井地震で二度焼失した。しかし先代は災厄のたびに不屈の精神で立ち上がり、店舗を再建。2007年に国指定登録有形文化財となり、2010年にはAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首席代表歓迎晩餐会場となった。
2008年に料亭の本格懐石をよりカジュアルに楽しむことができる割烹店「開花亭sou-an」をオープン。店舗とインテリアの設計は世界的な建築家・隈研吾氏にお願いした。料理長は2017年に県内の日本料理人としては最初で唯一の「現代の名工」に選出され、店舗はフランス外務省後援の「La Liste」で全世界のベストレストラン1000店にも選ばれた。
そして2016年には調理施設「開花亭 kuri-ya」を開業。さまざまな弁当や鯛・海老・蟹の生ふりかけなどのギフト商品を提供している。こうした小売商品を購入したいというお客様やバイヤーが2010年ごろから増え始め、飲食店の厨房とは切り離して、より衛生対策が万全な専用施設を作ろうと判断したためである。
この2年間はコロナ禍により、厳しい状況に置かれている。営業の自粛や営業時間の短縮、社員の出社調整など臨機応変に対応してきた。感染が落ち着いて県が自粛要請を緩和すれば営業を戻し、厳しくなれば自粛するということを繰り返してきた。もちろん雇用調整助成金や資本性ローンの適用、コロナ支援融資などをフル活用している。