ヤスリの技術を応用した新しい商品作りだ。ヤスリの技術と柔軟な発想を組み合わせて、新しい用途の商品を開発していることが、当社の最大の強みだと考えている。
例えば、2012年に発売した爪の手入れをする「なめらか爪やすり」は、3方向からヤスリの目を立てる高度な製法で作っている。ヤスリ面は小さな刃の集合体だが、3方向から目を立てていることで、爪断面の細胞を壊すことなく削り、これ1本でなめらかな仕上りになる。あらゆる方向からでもスムーズに削れ、十分な切削力が備わっているのも特徴だ。地域産業資源活用計画にも認定されており、中学校の卒業の記念品として活用されたり、ふるさと納税の返礼品にも選ばれている。
また、最近のヒット商品である「ねこじゃすり」は、実はキッチン用のヤスリの試作から生まれた商品だ。最初は樹脂製のヤスリを試作したが、切れ味が悪く、使いにくいため開発を断念した。2年くらいお蔵入りしていたが、何気なく飼い猫をなでてみると気持ちよさそうなので、「ねこのグルーミング用」としての開発を思い立った。
3Dプリンターで試作を繰り返し、途中から中小機構の「商品力向上会議」にも参加して商品をブラッシュアップした。最終的に開発した形状は、特許と意匠を取得している。完成後はクラウドファンディングも活用し、これまでに17万本を販売した。コロナ禍でも「おうち時間」の需要があるせいか、売り上げは落ちていない。この商品もふるさと納税の返礼品となった。20年2月にチャリティー商品として新色のイエローも発売した。