「会社はお客様のためにある」。一番の強みは、創業以来58年にわたり、この理念を貫いて経営していることだ。創業者である父は警察官を退官後、会社を創業するまでの間の2年間、叔母の洋装店の手伝いをしていた。この言葉はその当時教えられたもので、今も当社の理念・原点になっている。
「損得より先に善悪を考えよ」も創業来の大事な考え方。1990年代、シックハウス症候群が社会問題になった際、化学物質を含む材料をできるだけ使わず、自然素材を活用した住まいづくりにすぐに切り替えた。阪神大震災の際も、私も社員と共に現地を確認に行った。被災状況を目の当たりにし、耐震性を強化する必要性を痛感し、仕様を一気に変更した。その後も震災が起きる度、現地を視察し災害に強い住まい、安心安全な住まいづくりに務めてきた。「お客さまが望んでいる」と考え、損得を度外視して取り組んできたことで、熊本地震でも地震の揺れによる倒壊は1棟もなかった。
渋沢栄一の「論語と算盤(そろばん)」で例えると、「論語」と「算盤」半々ではなく、当社は「論語」95%の世界。勤めていた会社を辞め、この会社に入ったときは、その徹底ぶりにカルチャーショックを受けたほどだった。だが、その理念経営を続けてきたからこそ今の成長があることは紛れもない事実だ。58年の歴史の中で、経営が厳しい時期もあった。その時に支えてもらったのは、当社の経営を高く評価してくれたお客様であり、取引先だった。2006年に父から会社を引き継いだが、この理念を守り続けることが肝心だと考えている。