業種別開業ガイド
ゴルフショップ
- 最近のゴルフは、中高年男性の社交的な場としてだけでなく、女性同士や家族でも楽しめる場になっている。これにともないゴルフ用品も女性・ジュニア・シニアをターゲットとした商品が続々と登場している。
- ゴルフ用品はモデルチェンジが盛んで、流行が激しいため、これらの情報に留意しないと不良在庫が累積する。
- ゴルフ用品の販売は一般的に季節変動が激しく、販売力の高い時期に効率的な営業活動を推進し、顧客吸引対策を実施することが重要である。年間販売企画をしっかりとたて、それに沿った運営が要求される。
- 経営のポイントとしては、顧客の組織化や定着化対策によって、安定的な販売需要の確保が必要である。カントリークラブ等とのタイアップによる企業主催のコンペの開催や、ハンデ認定制度などを創設し、愛好客を掘り起こしていく努力が要求される。ゴルフショップはゴルフに愛着を持つ経営者が多いのも特徴であるが、顧客に対しある程度のアドバイスができる基本知識を身につけておくとよい。
1.起業にあたって必要な手続き
ゴルフショップの開業は原則的に自由である。一般の開業手続きとして、個人であれば税務署への開業手続き等、法人であれば、必要に応じて、健康保険・厚生年金関連は社会保険事務所、雇用保険関連は公共職業安定所、労災保険関連は労働基準監督署、税金に関するものは所轄税務署や税務事務所にて手続きをする。
ただし、ゴルフショップの店内にミニゴルフ練習場を設けるような場合や、販売するゴルフ用品の中に揮発性のスプレー容器に入ったガス製品を大量に販売するような場合には、あらかじめ所轄消防署の安全指導を受けて置くことが望ましい。
2. 起業にあたっての留意点・準備
一般的なゴルフショップの出店立地は、ビジネス街・ショッピングセンター・都市部の駅前繁華街や地下街モール等が適している。
ゴルフショップ専門店は全国で1千店前後、しかも大手のスポーツ用品店、百貨店等でもゴルフ用品は取り扱っている。また、通信販売やネットオークション、カタログ販売店などもあり、競業が多い環境にある。開業の際は店舗イメージ、取扱商品、サービスシステム等に個性的な活動を取り入れ、専門性を高める店舗運営が必要である。
現状のゴルフ用品は非常に多角的に流通しており、これを全種類にわたって取り扱うことは不可能である。販売対象顧客のターゲットを絞り込み、商品内容もこれに適応させた範囲で商品戦略をたて、専門性が強く感じられるようにアピールする。
経営体系には、大手ゴルフメーカーの系列店に参加したり、ゴルフ専門店で形成するチェーンシステムに加盟して営業活動を行なう方法と、全く個人的な運営体制で営業活動を行なう方法がある。
メーカー系列やチェーン加盟の場合には、それぞれの本部で商品体系や販売システムやサービス活動までマニュアル化されており、利益を確保しやすい。反面、店舗の特長が出し難く個性派経営者には不向きである。
個人店舗の場合は商品対策や販売方法についての準備等が大変だが、それだけに立地や顧客ターゲットに適応した特長が出しやすい。
ゴルフ用品は商品ライフサイクルが早いため、商品部門毎にリストを作成し、開業当初から在庫の出入り状況が明確に把握できるようにする。売れ筋商品の把握やデッドストックの処分は、管理方法により収益に大きな影響がでる。
必要売上高は[(生活費+雇用人件費+営業費+目標利益)÷粗利益率]で概算ができる。毎月の必要売上高を意識しながら店舗運営を行なう。ただし、季節変動が激しいため、毎月ではなく3カ月単位に区切って、トータル的に経営成果を見極めていく方が現実的である
3. 必要資金例
地方都市のビジネス街に近い駅前商店街、面積20坪。大手ゴルフメーカ系列の販売チェーンに加盟。
(単位:千円)
4. ビジネスプラン策定例
●初年度売上計画例(店舗面積約20坪)
(単位:日商・客単価は円、年商の単位は千円)
●モデル収支
(単位:千円)
- ※必要資金、売上計画、シミュレーションの数値などにつきましては出店状況によって異なります。 また、売上や利益を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。
最終内容確認日2014年2月