起業マニュアル

店舗マニュアル作成のポイント

オーナー自らが常に店舗に出て陣頭指揮を執る場合においては、オーナーの考え方や手法をほかの従業員に直接伝えることが可能となりますが、事業拡大に際しては、オーナーの考え方・ノウハウの伝達、均一なサービスレベルの維持のために、マニュアルの整備は欠かせません。
マニュアルを作成する目的は以下の5つに集約することができます。

(1)店舗立ち上げスピードアップ

(2)サービス品質の安定化

(3)店舗オペレーションの安定化

チェーン展開やフランチャイズ展開など、店舗を複数展開していくビジネスでは、短期間での店舗の立ち上げ、サービス品質の安定、効率的な店舗オペレーションなどが重要です。
本部で定めた規定や手続き、および既存の店舗で集積したノウハウをまとめたマニュアルがあれば、新しい店舗でも短期間で既存店舗と同じようなパフォーマンスを発揮することが可能です。

(4)社員の意識統一
創業から時間が経過した企業、また急速に社員が増えた企業では、理念や価値観が浸透しないとか、全社的な目標が共有されない、などの問題が発生してきます。全社員が共通の認識をもっていなければ、企業はパフォーマンスを最大に発揮することはできません。

(5)社員の短期戦力化
社員の入れ替わりが頻繁にあっても、常に一定の作業品質を保証しなければなりません。新しく入った人がすぐに仕事を覚えられる工夫が要求されます。
誰が読んでもすぐに理解できるマニュアルがあれば、短時間で確実に仕事を覚えてもらえます。短期戦力化とすることができます。

作成のポイント

マニュアルは、利用者がそれを読んで実際の行動に結び付けられるものでなくてはなりません。したがって、マニュアルの内容は「具体的である」必要があります。

たとえば、実際の行動に即したチェックリスト、あるいはステップごとに何をすべきか、その場合にどういう言葉を発するべきかまで指示したものが必要となります。

作成にあたっては、以下のポイントを抑える必要があります。

(1)全体の流れがわかる様工夫する

(2)利用シーンを考慮して企画設計する

誰が、いつ、どこで、何を、どのように、どうして、マニュアルを読むかということを考え、マニュアルの目次構成およびレイアウトデザインなどを形にしていきます。

(3)柔軟に対応する
業務マニュアルはお客さまによって確認・検証され、ときには業務自体の見直しにつながる。都度、見直しを行い、変更へ柔軟に対応します。

(4)見やすく、判りやすい
写真や絵を盛り込む、ポイントなどを盛り込む、フロー図など盛り込むなど、より工夫する。
手順だけでなく、作業のコツなども盛り込み、新人の即戦略化も考慮して作成。VTRを利用するのも良い方法です。

(5)万が一のときも想定
クレーム時、店長が急に休んだときなど、判断ができるような内容も盛り込みます。

(6)定期的に見直す。できる限り現場の社員自身が作り直す
良いやり方があれば、変更します。より良いマニュアル作りのためには、実際に使う店長や社員自身が作るのが一番良い方法です。現実に即した内容になるし、何より自分たちで作ったものであれば、一生懸命役立てようと考えることになります。

(7)現実的な内容にする
「こうあるべき」という理想論に陥らないことです。例えば、手洗いは15分に1回行い、30秒以上はもみ手洗いをすべきと言われていますが、スタッフの人数に余裕がなく忙しい現場で徹底するのは現実的ではありません。どんなに基準が正しくても、実行されなければ意味はありません。少々基準を緩やかにしても、スタッフが無理なくできるレベルを意識しましょう。

マニュアル項目例

(1)店長マニュアルの項目例

店長マニュアルに記載する項目例の表

(2)オペレーションマニュアル(飲食業)項目例

オペレーションマニュアルに記載する項目例の表

(3)キッチンマニュアルの項目例

キッチンマニュアルに記載する項目例の表

関連ドキュメントのダウンロード

最終内容確認 2018年2月