業種別開業ガイド

ペットシッター

  • 飼い主にかわってペットの世話を行うのがペットシッター。飼い主が、仕事や旅行などでペットの世話ができないときに、代わって散歩や餌やり、掃除などを行う。ペットホテルなどに預けて他のペットたちと一緒に世話をされるのと違って、住み慣れた環境で過ごせるため、ペットへの負担も少なくペットシッターのニーズは高まっている。
  • 留守中のペットのシッターを依頼される場合が圧倒的に多いため、依頼主の自宅のカギを預かるケースがほとんど。信頼関係が重要になり、リピーター率も高い。
  • シッターのほか、ペット保険販売やペットグッズの販売などもあわせて行う人たちも多い。

1.起業にあたって必要な手続き

ペットシッター開業に際しては、動物取扱業の登録が必要となる。
また、事業所ごとに専属の動物取扱責任者を、常勤職員の中から1名以上配置することが義務付けられる。(複数の事業所・店舗での兼務はできません。)
動物取扱責任者に求められる要件は以下のとおりです。

<動物取扱責任者の要件>
以下、(1)(2)(3)の条件をすべて満たしていること
(1) 次に掲げる要件のいずれかに該当すること

  • 経験要件・・・ 営もうとする動物取扱業の種別に係る半年以上の、登録施設での実務経験があること
  • 学歴要件・・・ 営もうとする動物取扱業の種別に係る知識及び技術について1年間以上教育する学校その他の教育機関(原則として学校法人であること)を卒業していること
  • 資格要件・・・ 公平性及び専門性を持った団体が行う客観的な試験によって、営もうとする動物取扱業の種別に係る知識及び技術を習得していることの証明を得ていること

(2) 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者でないもの
(3) 動物愛護法に違反して罰金以上の刑に処されていないこと 等

なお、動物取扱責任者は毎年1回3時間以上の講習(動物取扱責任者研修)を受講することが義務付けられています。

また、任意ではあるが、愛玩動物飼養管理士などを取得する人も多い。
愛玩動物飼養管理士とは、「動物の愛護及び管理に関する法律」の趣旨に基づき、愛玩動物(ペット)の愛護及び適正飼養管理の普及啓発活動などを行うために必要な知識・技能を修め、所定の試験に合格し、日本愛玩動物協会(http://www.jpc.or.jp/)より認定登録された者である。

この他、一般的な開業手続きとして、個人であれば、税務署への開業手続き等、法人であれば、必要に応じて、健康保険・厚生年金関連は社会保険事務所、雇用保険関連は公共職業安定所、労災保険関連は労働基準監督署、税金に関するものは所轄税務署や税務事務所にて手続きをする。

2.起業にあたっての留意点・準備

1)営業上の留意点

事業を開始しようとする周辺の居住者の家族構成、ペットの飼育動向、競合他社の有無などの市場調査はあらかじめ行いたい。DINKS世帯の多い地域などは狙いめ。
愛玩動物飼養管理士資格などをスタッフが取得していると、顧客からの信頼性も高くなる。
留守宅への訪問という特殊性から、ペットシッターには高い人間性・信頼性が問われる。依頼主に女性が多いことから、女性のみのスタッフでの運営なども差別化になりやすい。また、フランチャイズチェーンへの加盟も、ある程度信用性のアップに繋がる場合も。

2)経営上の留意点

シッター料金は、1回1時間で3000円程度が目安。エリアや時期によっても異なるが、スタッフの効率良い配置が決め手となる。年始年末やゴールデンウィークなどの繁忙期は、依頼があっても人材が足りないために断らなければならないケースなども増えるため、普段から登録制などにしてスタッフ確保に努めたい。
仕事が多忙で日中の散歩ができないなどの飼い主からの依頼も多く、リピーター確保が経営のポイントになる。定期的に契約を結ぶことができれば、安定収入に繋がる。
開業当初の宣伝が大切になる。自分の事業エリアを絞り込み、エリア内の動物病院やペットショップにチラシを置いてもらったり、ポスティング、散歩中の飼い主へのビラ配りなどの方法もある。

3.必要資金例

創業までの費用内訳

自宅開業しやすいので、最初は事務所を構えない場合も多い。自宅開業なら、予約を受ける電話とファクス、携帯電話があればひとまず開業できるのも魅力のひとつ。開業資金10万円以下でも可能である。

最終内容確認日2014年2月

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