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(3)深刻さを増す人手不足
IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が国勢調査と企業アンケートをもとにした調査では、IT人材は2019年をピークに供給減少が始まり、2030年には約59万人が不足すると推計している。人材獲得に関し不利な立場にある中小・小規模のソフトウェア開発事業者にとって、今後ますます人手不足が深刻さを増すと予想される。
ソフトウェア開発業の特徴
中小・小規模のソフトウェア開発業は、継続的な受注を獲得するために、顧客(元請またはユーザー企業)との関係性強化に努めている事業者が多い。
一方で、多階層の業界構造の下層に甘んじていては、受注単価は低いままである。下請けからの脱却や顧客に対する発言力強化につながる取り組みも重要である。
また、請負契約で受注する場合、入金は成果物の納品後となる。開発期間が長期になればなるほど、入金までの運転資金確保も重要となる。
ソフトウェア開発業の起業タイプ
ソフトウェア開発業で起業する場合、ターゲットとする分野の明確化が最も重要となる。
(1)先端分野での起業
今後、IT投資の活発化が予想される先端分野をターゲットとして、少数精鋭で起業するタイプである。人材不足が深刻な分野であるため、価格交渉で優位に立てる可能性が高い。
(2)既存分野での起業
JavaやC#などの開発言語、会計システムや生産管理システムなどのシステムの種類、ウォーターフォール型やアジャイル型などの開発形態での経験を活かし、実績をもつ分野をターゲットとして起業するタイプである。競合が多い分野は、価格競争となる危険性もある。
開業ステップと手続き
(1)開業のステップ
先端分野での起業の場合、開業に向けてのステップは以下の7段階に分かれる。
(2)必要な手続き
ソフトウェア開発事業を開業する際に、必要となる許認可は特にない。
自社のエンジニアを顧客の指揮命令下で働かせる場合は労働者派遣となり、一般労働者派遣事業の許可が必要であるが、認定要件が厳しいため、起業時から一般労働者派遣事業を目指すのは現実的ではない。
システムエンジニアリングサービス(SES)という、一般労働者派遣事業許可が無くても、技術者を顧客の現場で業務させる契約形態もあるが、この場合は自社からの指揮命令が必要である。顧客の指揮命令下で技術者を働かせる場合、偽装請負となるので注意が必要である。
サービス・事業運営の工夫
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自社が得意とする分野、実績(前職時代の実績も可)、それらを活かしたサービスメニューを、HPや会社案内などで情報発信することは、差別化のために重要である。
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また、技術者がソフトウェア開発業を起業する場合、営業力が弱い傾向がある。そのため、前職の人脈は有望な潜在顧客である。前職時代の人脈、そしてそこからの顧客の紹介も活用して、営業を仕掛ける。
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ソフトウェア開発は労働集約的産業であるため、企業の成長には人材の増員が不可欠である。人手不足が深刻化する中、優秀な人材を確保するためには、応募者に共感してもらえる企業理念・ビジョンが重要である。
必要なスキル
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差別化できる技術力
差別化できる技術力を持ち、その強みを活かせるプロジェクトに参画することが、リピート受注には必要である。
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精度の高い見積
ソフトウェア開発は、労働集約産業であるため、計画通りの人材投入が利益確保につながる。そのため、精度の高い見積が重要となる。
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契約知識
契約において責任範囲を明確化することも重要である。商法以外にも、著作権法、個人情報保護法など、ソフトウェア開発に関連する法律知識も身に着けておく必要がある。
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マネジメント能力
プロジェクトを計画通り遂行するためには、業務の進捗状況を管理するマネジメント力や、プロジェクトメンバーのやる気を引き出す指導力も必要である。
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人材の定着化
人手不足が続くIT業界では、人材の流動性が高い。そのため有能な人材の定着化を図るための取組みが必要である。
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営業力
技術には自信があっても、営業力が弱いケースが多く見受けられる。顧客のニーズを想定して、常に営業を仕掛ける姿勢が必要である。
開業資金と損益モデル
以下は、社長、取締役2名の計3名で、先端分野をターゲットとして起業する場合の例である。
(1)開業資金
【参考】:30坪のオフィスでソフトウェア開発(技術優先型)を開業する場合の必要資金例
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※什器・備品費は、複合機、電話機、机、パソコン、応接セット等の購入費
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※その他は、事務所契約、会社設立、広告宣伝、HP・会社案内等の作成費
(2)損益モデル
■売上計画
技術者の月単価、稼働率を踏まえて、売上の見通しを立てる。
(参考例)
業務の負荷割合
売上試算
■損益イメージ
(参考例)
(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものであるため、開業を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)
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