創刊当時にはなかったSDGsへの関心の高まりも追い風になり、エコチルの発行部数は右肩上がり。現在、北海道版、東京版、横浜版、相模原版、湘南版(平塚市・大磯町)、長野版、静岡版、大阪版と計150万部以上を発行し、約3750校(一部の公立中学校・高校を含む)に無料配布している。さらにデジタル版を含めると全国47都道府県向けに56種類の紙面を編集している。
内容は地球温暖化や生物多様化、省エネなど環境問題がメイン。とくに印象的なのはカラフルな色使いだ。「大人には見づらいかもしれないが、子どもたちの意見を受けて多くの色を使っている」(臼井氏)という。イラストも豊富で、表紙イラストとして小学生の応募作品を掲載している。漢字はすべてルビ付き。記事は小学4年生を念頭に書かれており、「低学年の場合は親子で一緒に見てもらいたい」と臼井氏は話す。そして最終面には「読み終わったエコチルはリサイクルしよう」とのメッセージ。環境への意識を高めるだけでなく、実際の行動に移してもらおうというのが狙いだ。
編集体制は小規模だ。編集長を兼任する臼井氏のほか、本社の札幌に副編集長、東京と大阪にリーダーが各1人配置されているだけ。記事の多くは、「本当にわずかな謝礼」(臼井氏)で原稿を送ってくれる在宅ワーカーによるものだ。40人ほどが業務委託で執筆しているが、「子どもがエコチルを読んでいた。ぜひ協力したい」という母親からの申し出も多いという。また最終面に掲載されている動物園や水族館など生き物の連載記事は、それぞれ地元自治体が運営する施設の協力で作成されている。