延期の判断をしたものの、今後開催可能な時期は未定のまま。何とかしてお客様に陶器市の楽しみをお届けしたいと考え、オンライン開催に舵を切った。開催時期はリアル陶器市と同じ4月29日午前9時から5月5日午後5時。3月末の延期決定から開催初日まで、およそ1カ月しかない。職員12名はほとんど総出でオンライン開催に向けて動き出した。
とはいえ、初めてのオンライン開催だ。職員はECサイト立ち上げのための勉強会や講習会に参加し、出展店のサポートをすることにした。参加129店のうち、45店がHPやECサイトを保有していなかった。職員をグループ分けして担当を決め、商品写真の撮影やサイトの立ち上げなどをサポートした。
陶器市のプラットフォームも専門家の助言を受けながら、単純なショッピングサイトではなく地域のエリアマップに店舗を配置し、いろんな店を回遊できる仕組みにした。サイトを訪れた人に陶器市を疑似体験してほしかったからだ。
2000円以上の購入者には、送料全額を有田町が負担するなど、自治体が全面的なサポートをしてくれた。コロナ禍での前向きな取り組みだったことから、地元のテレビやラジオ、新聞・雑誌も数多く取り上げてくれた。
7日間の会期中、サイトへのアクセス数は約46万を数えた。ユーザーの平均のページビューは3ページ、滞在時間は8分、直帰率は22.23%。通常のECサイトより滞在時間が長く、直帰率が低く、リピートも多い購入目的の高いサイトとなり、2億4000万円を超す売り上げを記録した。開催中止のままではゼロだった売り上げを獲得し、多くのメディアに取り上げられたことで有田陶器市の知名度も向上した。