生産規模が小さくて、これまでコーヒー取引の市場に登場しなかった希少な豆も、同社のプラットフォームであれば販売することができる。通常のコーヒー豆の取引は先物市場の変動に影響を受ける不安定さがある。同社のプラットフォームでは、販売価格を生産者が決められるのも、コーヒー取引の世界では画期的なことだった。生産者は頑張れば頑張っただけの成果を得ることができる。取引は国を超え、アフリカのケニア、タンザニア、中南米のボリビア、グアテマラなどへ着実に拡大し、プラットフォームは成長を続けている。これまでに32カ国のコーヒーを39カ国に流通可能なネットワークを構築し、実績として28カ国の生産者のコーヒー豆を27カ国のロースターに販売してきた。生産者の収入は平均で約2.2倍以上に拡大し、中には35倍になった例もあるという。最初は半信半疑だった生産者も近隣の同業者の成功を見て、続々と参加するようになっていった。
後藤社長は「生産者の努力でコーヒー豆の品質を高くできたこと、品質の保証制度を作ったこと、麻袋単位という小口化をしたことが成功の要因としてあげられるが、それと同時に生産者を取り巻く状況や、おいしいコーヒー豆づくりにどれだけ努力しているかといった顔の見える情報をきちんと提供し、それをロースターが理解して、長期的に取引される関係性の構築を応援したことも大きい」と指摘する。同社のウェブサイトには、生産者一人ひとりが、コーヒー豆づくりにかける思いがつづられており、その豆を購入できるロースターがどこにあるかも細かく紹介されている。エシカル消費やナラティブ消費を実践している。