「自動車メーカーが作るEVはガソリン車の3倍以上の価格になる。そうなると、物流会社には採算が合わない。ならば、複数の自動車メーカーが開発費を分担して作るやり方だったら、ガソリン車と変わらない価格で製造できるのではないか。シェアリングエコノミーの考えをものづくりに生かした」と小間氏は創業の経緯を語った。
フォロフライが製造販売する商用EV「F1」はバンとトラックの2車種ある。バンは積載量1トンクラスで、300キロの走行が可能なバッテリーを備えている。物流の最終集荷場から顧客のもとに荷物を届ける「ラストワンマイル」に最も適したサイズの車両だ。
製造は中国の大手自動車メーカーが担当。この会社の車体をベースに日本の安全基準に基づいた性能をフォロフライが追加で100カ所以上の追加開発を設計し、装備した。2021年10月に国土交通省から道路運送の保安基準に適合していることが認められ、最初のナンバー交付を受けた。当時の一般販売価格は380万円。資材価格の影響から現在は500万円だが、補助金適用後約320万円で購入でき、物流会社が導入しやすいガソリン車と同等の価格を実現させている。
車体を一から開発すれば、莫大な開発費用をかけなくてはならない。一方、中国メーカーにはガソリン車の時代から蓄積してきた車体製造の実績がある。その開発済み車体を活用することで初期開発費を下げるとともに、フォロフライは日本に必要な安全性能の開発に注力する。ものづくりを“シェア”することで製造コストを削減した。
「パソコンに例えるなら、莫大な開発費がかかり、共通部品として提供されるOSやCPUには手を出さない。スタートアップ1社ではできることが限られているので最初から大手の力を借りた」と小間氏。米アップルがスマートフォンの製造を海外メーカーに委託するのと同じ手法をEVに当てはめた。
開発した商用EVは、大手物流会社が最大1万台導入することを決定したのをはじめ、100社以上の物流会社やメーカーなどが導入を進めているという。また、大手商社の系列会社と販売代理店契約を締結。全国的な販売ルートを確保した。