家にいながら旅行気分を味わえる「バーチャルとリアルの融合」を目指した、全く新しいタイプの「オンラインバスツアー」を企画した。緊急事態宣言による外出自粛の中で、お客様に会うにはどうしたらいいか考えた結果、オンライン会議ソフト「ズーム」の活用に行き着いた。5月15日に最初のツアーを実施し、6月末までに200人以上を集客、今後の予約まで含めると400人以上を集客している。
工夫したのは①プランナーの案内を聞きながら、旅先の現地ガイドや他の参加者とも会話できる②単に観光地の景色を動画で見せるだけではない—という点だ。例えば日本遺産に指定された「石見神楽」(島根県浜田市)を見に行くツアーでは、高松市から瀬戸大橋を渡り、サービスエリアで休憩して、日本海側の浜田駅前で地元ガイドがライブで合流。神楽が行われる三宮(さんくう)神社でガイドがライブ中継し、動画とリアルタイムの解説によって現地にいるような臨場感を演出する。
プランナーの案内で自己紹介やクイズを交えながら道中を楽しめるほか、事前に「旅のしおり」と地酒、赤てん(赤とうがらしを練り込んだ魚のすり身)などをクール便で届け、景色を眺めながら飲食できる。リアルのツアーなら高松・浜田間の往復で1日がかりだが、オンラインツアーなら1時間半で終了する。このほか「日本三大秘境・祖谷渓絶景旅」(徳島県三好市)、「さくらんぼ狩りと広島三次ワイナリー」(広島県三次市)、「白桃狩りとガイドおすすめスポット」(岡山県赤磐市)の3ツアーを企画・実施。8月には地元・琴平のツアーや、鹿児島の知覧へ行くツアーも予定している。(7月10日現在)
ただシナリオの作成はもちろん、動画撮影や編集も社内で行ったため、慣れない作業に苦労した。車内除菌やアルコール消毒液の設置など目に見える対策を講じた上でバスを走らせ、動画を作成。ユーチューブなどを見様見真似で作り込んでいった結果、お客様同士が交流できるバスツアーをうまく再現した。ズーム飲み会やユーチューブを見るだけとは違う、ディティールにこだわった没入感があり、旅先に本当に訪れた気分になれると自負している。
リアルのバスツアーが催行できず、当社の新入社員や観光地のパートナー(現地ガイドや取引先、観光協会など)も不安な日々を過ごしていたが、この取り組みが希望の光となっている。