香川県の瀬戸内海沿いに位置する宇多津町ではかつて塩づくりが盛んで、海岸沿いに塩田が広がっていた。戦後の高度成長期に入ると塩づくりは操業停止となり、地域振興整備公団(当時)などによる大規模な開発事業がスタート。広大な塩田は埋め立てられ、住宅や商工業の用地、幹線道路や新駅舎などの整備が進められた。1988年4月の瀬戸大橋開通と相まって塩田の町は、大型商業施設や工場、マンションなどが建ち並ぶ新都市へと変貌を遂げた。
塩田跡地となる海岸近くの工業地域に本社を構える開成工業もルーツをたどると塩づくりに行きつく。西本氏の父・公三氏は塩づくりの過程で発生する「にがり」を販売していた。にがりは豆腐の凝固剤として使用されることが多いが、にがりに含まれる塩化カルシウムに砂ぼこりを抑える効果がある。公三氏は1954年に創業し、にがりを活用して砂利道が多かった道路用の防塵剤の販売と散布施工を始めた。1965年に讃岐化成株式会社を設立。その後、塩化カルシウムの製造を始めるとともに、道路の舗装が進んだことで道路の改良や標識の設置など道路関係の公共工事を手掛けるようになった。1982年に現社名へ変更。そして1990年に本社を現在地へ移転した。
創業時から長年にわたって道路関係の施工を行ってきたことで、「国や自治体など道路管理者が求めるものをいち早く把握して提案することが当社の強み」と西本氏は話す。一時期は橋や照明灯などデザイン性の高いものが流行し、昨今は照明のLED化や道路の補修工事のニーズが高まっている。こうした変化に迅速に対応できているという。このほかにも公園のフェンスなど景観を意識した補修工事や、さらにSDGsへの対応として地元の県産材を活用した施工を積極的に行っている。このうち地元材の活用については西本氏の弟で営業担当の西本祐三専務が精力的に推し進めている。