当社は水栓金具やバルブ部品・美容機器部品の受託加工・組み立てを担う「下請け製造業」。コロナ前の2020年3月期の売上高は約9億円だった。一方、5年半前にメーン顧客の子会社だったサンエース(岐阜県各務原市)を買収・グループ化した。坂井製作所で加工した水栓金具・バルブ部品の通水・耐圧テストと組み立て・梱包を担い、20年度上期は1億6400万円を売り上げた。
さらに35年前から仕事を協業し合う関係だった野村精機(岐阜県海津市)を1年がかりで買収し、20年10月にグループ化した。3代目社長(2代目社長の奥様)から「後継者がいない」と相談され、岐阜県事業承継・引継ぎセンターを介して作業を進めた。自動車・医療機器・電動工具の各部品加工が主力で、売上高は減少傾向が続いていた。
コロナの影響については、学校の一斉休校により女性を中心としたパート従業員が子どもの面倒を見るために出社できなくなったことが大きい。坂井製作所はパートが半数で、20%が出社不能になり、9割がパートのサンエースは出勤率30%ダウンが2カ月半続いた。特にサンエースはこれが響き、受注額は4月が25%減、5月は33%減となった。買収前の野村精機は、売り上げが30~60%減少する状態が半年以上続いた。
サンエースは2カ月間、野村精機は半年ほど雇用調整助成金を活用し、週3日程度休業した。ただ坂井製作所は製造を止めず、マスクを輸入している会社を探して高い値段でも買って皆に配ったり、働く時間を短くしたり、ずらすことで、少しでも出社してもらう時間をつくった。また食堂を開放して、幼稚園、小学生のお子さんを受け入れた。