手をこまねいているわけにはいかない。ストローメーカーがコロナ禍で行う事業として何ができるのか。コロナ禍で需要が減った業界や製品、逆に需要が増えた業界や製品を調査し、「どの業界で」「何が」「誰に」「どうして」売れているかを徹底的に分析した。
着目したのが、アルコール検知器の吹き込みに用いる「アルコール検知器用ストロー」だ。運送業者は、ドライバーの乗務前、顔色や呼気、声の調子、アルコール検知器による酒気帯びの有無を確認することが義務づけられている。従来は市価200~300円するマウスピースが使い回されていたが、新型コロナの感染懸念があると、タクシーやバス会社などに直接売り込んだところ、1本1円で使い捨てできると注目され、4月の出荷数は前年の3倍、約200万本に伸長した。
同様に医療機関で患者の鼻に薬剤を噴霧する機器の先端に着ける「医療器具カバーストロー」も好調だ。これまでは医師が患者の診察で薬剤噴霧器を使用するたび消毒液で消毒していたが、使い捨てストロー装着で衛生面を一段と高められる。2年前に医療機器メーカーと共同開発したものの、今年3月までの売り上げはゼロだった。コロナ禍で院内感染が懸念され始めたことから、医療機器メーカーが医師らに再度聞き取りや売り込みをしたところ、注文が殺到。1本10円の医療器具カバーストロー出荷数は4~5月で合計2万本となった。
今年7月中旬からは新型コロナ感染の有無を確かめる「PCR検査用唾液採取ストロー」も医療器具メーカーから引き合いがあり、特注の受注生産対応で月20万~30万本を製造・販売している。