コロナ禍でがんばる中小企業

有志の基金で映画館再開【NPO法人市民シアター・エフ】(埼玉県深谷市)

2020年 7月 20日

「ミニシアター・エイド基金」などの支援を受けた深谷シネマ
「ミニシアター・エイド基金」などの支援を受けた深谷シネマ

1.コロナでどのような影響を受けましたか

2002年7月に設立したNPO法人市民シアター・エフで、江戸元禄年間に創業した「七つ梅酒造」の酒蔵跡を改装した映画館「深谷シネマ」を運営している。

国内外の映画やドキュメンタリーフィルムを埼玉県深谷市および周辺住民に比較的安価に提供していたが、政府や県の要請で4月9日から6月7日まで約2カ月間も休業を余儀なくされ、収入が途絶えた。

市民の憩いの場として親しまれていると自負していたが、休業要請で経営が悪化しただけでなく、映画という楽しみを提供できなくなってしまった。

「市民の芸術文化の享受の機会を創り、市民の社会活動・文化活動への参画を図るとともに、ミニシアターをはじめとする映画文化の普及と発信を通して、市民の生活文化の向上とまちづくりに寄与する」というNPO法人の目的を果たせず、辛い思いだった。

2.どのような対策を講じましたか

全国の小規模映画館「ミニシアター」を救済するためのクラウドファンディング「ミニシアター・エイド基金」によって運営資金の一部が賄われた。

同基金は、緊急事態宣言が発令され、外出自粛要請が続き閉館の危機に瀕している全国のミニシアターを支援しようと、深田晃司氏と濱口竜介氏の2人の映画監督が発起人となって立ち上げたプロジェクトだ。

1カ月で約3万人から3億3000円が集まるなど全国から手厚い支援を受けた。

さらに、当館にゆかりのある深谷出身の映画監督入江悠氏の呼びかけで寄付も集まった。「ミニシアター・エイド基金」の資金と合わせて、当面の人件費・経費は賄えることから映画館の再開に漕ぎ着けた。

アルコール消毒液の設置と館内の常時換気に加えて、客が直接触れる個所を中心に営業開始前だけでなく、営業中も消毒作業を実施している。

持続化給付金と雇用調整助成金は、もちろん申請した。

3.今後はどのように展開していく予定ですか

映画を愛する地域住民の寄付などのおかげで、当館と地域の絆が一層強まった。

シネコンにはない映画文化を提供するという地域のミニシアターの存在意義も再確認できたことを弾みに、良質な映画文化を引き続き提供して地域にもっと愛される映画館を目指していく。

当館の名誉館長で、4月に他界した大林宣彦監督の追悼イベントの具体案を練り、全国の大林宣彦フアンに情報を発信していきたい。

この取り組みによって、深谷シネマを単なる映画上映の場にとどまらず、日本の素晴らしい映画文化を全国に発信できる地域の拠点に変えていきたい。中小企業支援策の併用も検討している。

企業データ

企業名
NPO法人市民シアター・エフ
Webサイト
設立
2002年4月
代表者
竹石研二 氏
所在地
埼玉県深谷市深谷9-12
Tel
048-551-4592

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