金融機関にとっても得るものは大きかった。これまでは財務数字から企業を見ていた。どの事業が赤字で課題があるかは把握していた。しかし、課題がある事業をどうやって改善させるのか、または新たな収益源となる新事業をどう立ち上げるのかといった事業面での課題解決策は持ち合わせていなかった。中小企業診断士などと行動を共にすることで、支援の具体的なノウハウを得ることができたのは収穫となった。また、経営改善コーディネーターは県内5か所に分かれて業務を行っていたが、異なる金融機関から派遣された経営改善コーディネーターが机を並べているところもあった。他行では、本店とどうコミュニケーションをとって経営改善を実行しているのかなど、自行との違いを間近に感じることができたことは大きな刺激となったようだ。
同ネットワークは2023年3月末時点で、191社の行動計画を策定した。業種別では、製造業40社、建設業33社、小売業32社、飲食業30社など、幅広い業種をカバーしている。支援を受けた企業からは「前向きに経営改善に取り組もうという意識に変わった」という声が上がるなど成果を生み出している。また、個別事例研究会を開催し、伴走支援に取り組んだ経緯や課題解決策を関係者に伝えることで経営支援のノウハウを共有する機会も設けている。
同ネットワークは経営改善コーディネーターによる活動に加え、2023年11月に物価高によるコスト上昇分を適切に価格転嫁するよう支援する「取引価格適正化コーディネーター」を配置し、中小企業の経営改善を多角的に支援する体制へと移行した。事務局は引き続き三重県信用保証協会が担当する。