Be a Great Small

ダイゴー

一貫した品質第一主義で新たな価値創造に挑戦

ダイゴーは1944年(昭和19年)4月の3社合併による大阪合同紙工に端を発する。1948年から銀行の年末贈答用手帳を手がけて手帳専業メーカーとして発展。1961年に現社名に変更、現在では手帳(ダイアリー)を中心に家計簿、ノート、雑貨など700種類の商品を製造販売している。「手帳は売り上げの70%を占める主力商品で、OEM(相手先ブランド生産)を含めた国内生産シェアでは25-30%を占める」(志方弘嗣社長)と胸を張る。ただ、近年は情報端末の普及、商慣習の変化、少子化などから市場が縮小している。加えて手帳は”季節商材”でリスクが大きい。そこで、2017年度までの3カ年の中期経営計画で売り上げに占める手帳の割合を50%にまで下げる計画を立てた。手帳の売上高を維持しつつ、新商品開発で売上高5億円を目指す挑戦が始まっている。

  • 時代に応じた柔軟力
  • 自身で組織を変える決断力
  • 新市場・新分野を目指す行動力

新製品、新分野に果敢に挑戦

2015年3月にデザイナーで構成される商品開発室を東京支店内に開設した。外部ブレーンとの関係を構築しつつ、同年8月に「和」をテーマとした模様の雑貨小物や朱印帳などを開発し、観光分野に進出した。現在は折り紙やポチ袋などを加えてノベルティ・ギフトとしてその種類を拡大している。また、フレームからスタートした電照看板(デジタルサイネージ)事業においては、2016年6月、映像を投影できる小型照明器具の取り扱いを始め、レストランやホテルなどの新分野への挑戦を始めた。一方、既存の製品販売においても、手帳に別冊ノートや筆記具、カード入れなどが簡単に追加できる「アポイント・ステイショナリー」シリーズを発売した。志方社長は「これらが将来の柱に育ってくれれば」と願う。

若手人材育成にも注力、新製品提案制度開始

2016年1月、若手社員を対象に会社の創業精神や経営理念を学び、人間力を高める研修を始めた。従来は幹部を対象としていたが、「今は改めて原点に立ち戻る時。若手にも必要」と志方社長は判断した。同年7月、全社員200人を対象に新製品の提案制度も始めた。今後、毎月、さまざまなアイデアを幹部と取締役会で審査し、優秀者を期末に表彰していく。人材教育による社員の能力向上を図りながら、シニア・観光分野への進出、高付加価値商品の開発、電照看板事業の交通や店舗などへの積極展開に力を入れる。「厳しい目標だが、これらを成長軌道に乗せて柱に育て、100年企業を目指したい」と夢は広がる。

ダイゴーのアポイントステイショナリー

One Point

社員一丸で達成を

志方社長の売り上げに占める手帳の比率を7割から5割に下げるために、敢えて厳しい新規事業に取り組む姿勢を高く評価する。社長の口調だけなら困難に思われるが、力強い目を見ると安心感を与えてくれ「実現できるのでは」とその気にさせてくれる。社員もそれを感じている。

企業データ

志方弘嗣社長
企業名
ダイゴー株式会社
Webサイト
法人番号
5120001045052
代表者
志方弘嗣社長
所在地
大阪府大阪市西区本田4の7の13
事業内容
手帳を中心とした文具・紙製品の製造販売