BreakThrough 企業インタビュー

社内製造一貫体制だからこそ培ってきた技術 匠の業が生きる超高精密加工【株式会社キメラ】

2018年 3月 20日

超精密機械加工部品、成形品
最新設備×匠の業によってはじめて完成する超精密機械加工部品、成形品
summary

長年に渡って培われた技術と匠の業
制作における一貫体制の重要さ
課題克服は新たな課題への挑戦

北海道室蘭で磨き続けられてきた精密技術

価格競争の波に押され、他社が生産現場を安さを主な理由としてこぞって海外に移したころ、それでも国内での一貫した製造体制を貫いてきた企業がある。北海道室蘭市に拠点を構えるキメラだ。同社はサブミクロン単位の精密さが要求される超精密・微細な加工を得意とする企業だ。

もとは神奈川県横浜市に前身企業が創業されたが、北海道室蘭市の企業誘致をきっかけに北海道にて同社を設立。以降堅実に一貫生産体制、管理システムの構築を整えてきたことと並行して、社員の技術力向上のための教育プランがしっかりと作り上げられてきた。

同社の製品は最新の加工設備の機械精度によって作り上げられることはもちろん、最終的な部分において、匠の業を持ってして仕上げられる。すべての製造工程の中に必ずが存在するというのが強みだ。

社内一貫体制が顧客に与えるメリット

同社は自社製造一貫体制を敷いており、図面やデータさえあれば金型、金型部品、治工具、機械加工、金属加工などの加工依頼の全加工に対して総合的な加工対応が可能となっている。

成形までの工程において一部でも外部委託となると、精度面や納期面の管理が難しくなるが、一貫体制であれば、加工工程において精度の確認も可能となるため、同社にとっても顧客にとっても大きなメリットとなる。同社が一貫体制を続けてきた理由はここにある。

北海道という立地は、一昔前であれば成形品が手元に届くまでに時間を要しただろう。特に関東以西となると、配送手配から最低でも中1日以上と考えるのが普通だ。しかし、同社の場合は配送会社との特別な契約体制をとっていることで、国内であればどこであっても配送から翌日午前中に必ず届く。いち早く届くという安心感も、北海道という距離的不利を感じさせないものとなっている。

超精密機械加工部品、成形品

様々な業界における1番を目指す

電子機器、通信、医療、半導体、自動車など、日々様々な業界からのオーダーを受け付け、月産8000点以上の精密加工品を生み出している同社だが、技術の世界だからこそ“ここで終わり”ということはない。

他社では難しいと断られる加工依頼であっても、それを課題として最新設備と匠の業をもって加工を可能にしてきた同社だが、慢心はない。

「ひとつひとつ段階があって、ここまではできるようになった。でも、そのさらに上にまだできないことがあって、そこに向かっていく。常に課題があり、その課題をクリアしていく。その繰り返しです」

同社取締役営業本部長の米川氏は、技術・精度向上を追求し続けることこそ、他社との差別化、海外との競争に打ち勝つことにつながると語る。

取締役営業本部長の米川氏

また、技術面の向上はもちろんのこと、新たな市場開拓にも意欲的だ。特にIoT関連産業、ロボット産業、航空宇宙産業といった精度・精密さが左右される業界に深く参入し、最も利用される精密加工企業を目指している。

最新の加工設備を有していても、最終的には人の手によって超精密・高精度な製品に仕上げられる。価格競争から逃れることは難しいが、技術力の高さ、対応力といった総合力はそれに勝る価値がある。製品のコンパクト化を急務とする業界において、超精密部品の利用は製品評価の大きなポイントとなるだろう。

企業データ

企業名
株式会社キメラ

月産10,000点以上の精密部品加工を行っております。弊社が保有する各種設備にて一貫した生産体制を整えており、ミクロンオーダーの高精度な部品を全国のお客様へ短納期で対応しております。又、長く培って来た加工経験をもとに、各種の難削材の加工を実現し、付加価値の高い製品をお届けしております。