同社が提供するアイメック農法は、フィルムや給液システムがあれば、どんな環境でも栽培ができ、水不足や病原菌の心配もいらない。今までの農業の常識を覆す技術は大きな注目を集めた。特にトマト栽培に適していることが分かると、新規就農者がアイメック農法を相次いで採用した。吉岡社長は「当社のシステムは根も深くないし、与える水の量も少ない。しかも密植栽培ができる。これらはずっとトマト栽培をしていた農家の方には理解されなかった。一方、新たに農業に挑戦したいと考える人たちからは、『こんなに手軽に作れるのか』と歓迎された」と振り返る。
トマト栽培は連作障害が起こりやすいなど、高糖度トマトの栽培には10年以上の経験が必要と言われていたが、アイメック農法は、土づくりや水やりの難しい技術を習得する必要がなく、子育てをしているような若い世代でも栽培に挑戦できる。また、東日本大震災の津波被害を受けた陸前高田市においてもアイメック農法が導入された。塩害被害を受けた農地でも、アイメック農法ならトマト栽培が可能なことが立証されたからだ。
国内でアイメック農法を導入する農場は北海道から沖縄まで累計で約160拠点、生産量は4000トンとなっている。民間団体が主催するミニトマトのおいしさを競う選手権において、2022年は入賞した22品目中の10品目、2025年は24品目中の13品目がアイメック農法によるミニトマトだったという。おいしさが評価され、小売市場での売値も高くすることができている。